坂本は打てる!恩師の明大・善波監督が太鼓判!

 打てる捕手になれる-。明大・善波達也監督(54)が1日、昨年まで指導した阪神・坂本誠志郎捕手(22)の正捕手獲りに熱いエールを送った。入団前は打撃への評価は高くなかったが、8月24日・DeNA戦(横浜)でプロ初本塁打を放つなど、バットでも存在感を示している。そんな教え子の打撃に、恩師が太鼓判を押した。

 打率・231、3本塁打。1年春から東京六大学野球リーグ戦に96試合出場した坂本が、4年間で残した通算成績だ。スカウト陣に高く買われたのは打撃ではなく、巧みなインサイドワーク。加えて履正社、明大、そして大学野球日本代表で主将を務めたリーダーシップだった。

 入団1年目。ここまで18試合に出場して、31打数9安打で打率・290、1本塁打、2打点。ウエスタン・リーグでも打率・289と結果を残している。7月23日・広島戦(マツダ)。この試合で日米通算200勝を達成した黒田からプロ初安打を放ち、8月24日・DeNA戦(横浜)では久保康からプロ初本塁打。課題と思われた打撃面で上々の滑り出しを見せている。

 金本監督は「もともとバッティングは悪いと思っていない。スイングスピードもそこそこある」と評価する。明大に入学して以降4年間、指導してきた善波監督も「(プロで)試合に出られれば、チャンスはあると思っていました。フェンスを越えるヘッドスピードは持ち合わせていましたしね」と証言する。

 1年春から2年秋まで4季連続で打率は2割3分に満たなかった。「バットをボールの下に入れてしまうクセがありました。(バットとボールの)距離が近くて、見ていて窮屈そうに打っている印象を受けました」と善波監督。だが課題克服へ日々努力を重ね、少しずつ力を蓄えた。そして迎えた3年春。打率・302をマークした。

 プロ球団の注目が高まる中、「大きい当たりを打たなきゃ、アピールしなきゃという気持ちが芽生えて、変な力みを招いていたかもしれません」と、4年春は打率・257、秋は打率・225にとどまった。ただ、右中間方向への力強い打球など、坂本の打撃に対する善波監督の評価が変わることはなかった。

 「(初本塁打の)カーブを打ったのも良かったですけど、初打点の時の方が力みがとれていました。あの感じを続けたら、きっと打率は上がってくるでしょう」。8月23日・DeNA戦(横浜)。初回2死二塁で井納の直球を捉えた右中間適時二塁打は、坂本本来の良さが集約されていたという。

 打てる捕手になることが、正捕手奪取への最短距離であることは間違いない。善波監督も同30日・中日戦(ナゴヤドーム)を引き合いにエールを送る。

 先発・藤浪の乱調もあり、序盤から大量ビハインドを強いられる展開で六回に代打を送られた。「安定して試合に出られる捕手というのは、打てる人。勝ちに導けるリードができるのもそうですけど、打てた方がチャンスは多く巡って来ると思います。勝っている試合ならいいですけど、負けている試合だと代打を出されちゃうんで。名古屋でもそうだったじゃないですか」と期待を込めた。

 8月31日、リーグ優勝の可能性は消滅した。しかし、まだ日本一へのともしびは消えていない。「チャンスがある以上、高山ともども頑張ってほしいです。ユニホームを着る責任を感じてもらいたい」。残り19試合。1本でも多くの快打を放つ姿を、恩師、そして虎党は待っている。

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