メッセ9敗目…7回1失点も無エ~ン 吉見にV打献上、たった1人にやられた

 「中日1-0阪神」(31日、ナゴヤドーム)

 本塁ベースカバーに入った阪神のランディ・メッセンジャー投手は、ショックのあまりしゃがみ込んだ。残酷なラッキーセブンだ。目の前の現実を受け入れられずに、しばらく立ち上がれなかった。

 「七回の、あのイニングだけだったので、悔しいです。その他は感じよく投げられていたので…」

 痛恨の1球だ。0-0の七回、四球をきっかけに2死二塁のピンチを背負い、投手吉見に初球のスライダーを中前へ運ばれた。直後にリプレー検証されたが、本塁セーフの結果は覆らず。14年7月以来、3連勝中だったナゴヤドームでは、実に30イニングぶりの失点だった。六回まで完璧な投球を展開しただけに、投手吉見への初球の痛打が悔やまれる。

 「結果的にいい当たりをされたので。甘い球だったんだと思う」

 悔しさを引きずりながらも、試合後は大黒柱らしく振る舞った。7回112球を投げ、4安打1失点。直球、変化球をコーナーに決め中日打線を封じた。しかし、ハーラートップ13勝の広島ジョンソンに迫れず、(11勝)9敗目を喫してしまった。一方で、8三振を奪い、リーグ1位の巨人・菅野の161まであと3つとした。

 くしくも今季の開幕投手が登板した日に、今季の優勝の可能性が消滅。コメントを求められると、静かにうなずき、懸命に言葉をつないだ。

 「チーム全体でレベルを上げて、前を向いて積極的にやっていかないといけない。もう失うものはない。アグレッシブに前へ向かっていくことが大事だ」

 藤浪、メッセンジャーの二枚看板を立てながら、中日にまさかの連敗。最下位の足跡がヒタヒタと聞こえてくるが、助っ人はCSを諦めない。「前を向いて…」と繰り返す姿は若いチームを鼓舞しているようだった。

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