球児、気迫の3人斬りで5勝目 11試合12イニング連続無失点

勝利投手となり、満面の笑みでナインと喜ぶ藤川(中央) 
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 「DeNA5-7阪神」(4日、横浜スタジアム)

 必死に腕を振った。同点に追いついた直後、絶対に点を取られるわけにはいかなかった。「どんなところでも投げないといけないんで」。阪神の6番手・藤川が3人締め。バスへと向かう足取りも自然と軽くなった。

 出番は九回だ。先頭・桑原には2ボールと苦しいカウントになったが147キロ直球で右飛に抑えた。代打・下園は内角低め148キロで見逃し三振。前夜に本塁打を放った梶谷はフォークで二ゴロに仕留め、大粒の汗を滴らせながらマウンドを降りた。

 今季12度目の3人斬りで、7月26日・ヤクルト戦(甲子園)以来の5勝目を手に入れた。さらに6月28日・DeNA戦(甲子園)から始まった連続無失点は11試合計12イニングまで継続。横浜ではこれで3試合に登板し1点も取られておらず、2勝と抜群の安定感を誇る。

 鶴岡以外の野手を使い切っていた延長十回は、江越の打席でネクストバッターズ・サークルへ入った。「チームのことなんで、そんなこと言えるわけないでしょ」。詳細は明かさなかったが、打つ気満々で準備した。

 今、その瞬間に全力を尽くす-。気持ちにブレはない。この日、野球・ソフトボールが2020年・東京五輪の追加種目に決定。08年北京大会に出場し、日の丸を背負った者としてナインに伝えたいことはあるのかと聞かれても「話すことはない。今で忙しいから」。縦じまのために全力を尽くす。全ては白星を積み重ねるためだ。

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