阪神・藤浪乗り越えろ 新投法もクセ見抜かれ、また勝てず

 「広島4-2阪神」(22日、マツダスタジアム)

 自身への怒りが爆発した。阪神・藤浪は帽子を取り、右足へ激しくたたきつけた。1-3の五回、8番石原へまさかの押し出し四球。新しいフォームで臨んだ後半戦初登板だったが、白星で飾れず、今季6敗目を喫した。試合後の表情にも、苦悩の色がにじみ出た。

 「悪くなかったと思いますが…、良いか悪いか、判断しかねるところです」

 新投法の弱点が広島の“足攻”によって、浮き彫りとなった。二回、先頭の4番ルナに安打と二盗を許すと、1死後、同級生の鈴木に中前適時打を献上した。さらに、鈴木の二盗に梅野の悪送球が絡み、1死三塁。7番安部には迷いなく151キロを振りきられ、右前適時打を浴びた。チームとして広島には同一リーグ最多の19盗塁を献上。この夜の藤浪も、球種の癖を見抜かれているようだった。

 「(二回は)安部さんにも鈴木にもいいところに行ったけど、いい当たりをされた」

 六回からセットポジション時に、グラブの位置を上げて対応したが時すでに遅し。「気持ち良く打たれすぎるのは少し癖があるかも分からないね」。金本監督がそう指摘すると、香田投手コーチも「変化球のときに走られたり微調整が必要」と次回への課題とした。

 立ち上がりは最高だった。これまで16試合中8試合で初回失点していたが、1番田中を152キロ、菊池も154キロで連続空振り三振。3番丸も152キロで左飛に抑えた。わずか8球で三者凡退に斬り、生まれ変わった姿を予感させたが…。二回に2点を失うと、三回も苦手松山に左前適時打を浴び、3点目を献上。期待はもろくも崩れ去った。

 香田コーチは新フォームについて「いいリズム、いいバランスで投げていた」と一定の評価を下す一方、「決めに行ったところで力みが出ていた」と指摘した。結局6回9安打4失点。これで開幕3連勝後、13試合でわずか1勝だ。長く暗いトンネルの出口は見えそうで、抜けられない。若きエースの試行錯誤は続きそうだ。

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