原口弾!止まらん2戦連続猛打ショー

 「ヤクルト5-7阪神」(24日、神宮球場)

 試合後、阪神・原口に歓声のシャワーが降り注いだ。“花道”を歩んでいく打の殊勲者に対し、スタンドの誰もがその名を叫んでいた。それほど大きかった一発を含む3本のヒット-。虎の正捕手として7年ぶりに帰ってきた神宮は、苦しいリハビリを乗り越えてきた若虎にやさしくほほ笑んでくれた。

 「しっかりと右手で押し込めたんで。行くかなとは思いました」と振り返った原口。3点リードの七回先頭で迎えた第4打席。追い込まれながらも村中の直球を捉えると、打球はグングン伸びて右翼ポール際へ飛び込んでいった。

 セーフティーリードに広げる3号ソロ。追い風ではない中、逆方向へたたき込む一発に「こういう勝ちにつながったことは良かった」と手応えを口にする。なぜ、スタンドまで打球を運べたのか-。その秘けつは、独特のリストワークにある。

 インパクトの瞬間、左手でボールを捕まえたところで、右腕を一気に押し込んでボールに力を伝える原口のスイング。入団2年目のころ、鳴尾浜で若手選手たちが原口のリストワークをこぞってマネしたことがあった。

 ボールを飛ばせる理想的な手首の使い方。しかし、誰も習得できた選手はいなかった。プロ経験の長い選手でも無理だった。

 片岡打撃コーチは「原口は詰まることを怖がらない。しっかり自分のポイントに呼び込んで打てる。投手は泳がそうと思って投げてくるけど、まったく泳がされない。打者にとって詰まることは怖いんだけどね」と言う。技術とメンタルの一致が生み出す原口だけのスイング。それが“一流”であることは、・403の打率が如実に示している。

 三回には遊撃内野安打で出塁し、九回には貴重な追加点を演出する中前打で2試合連続猛打賞。5月は打率・417、3本塁打、14打点となり、月間MVPの有力候補だ。もはや5番・原口の資質を疑う人間は誰もいない。「(帝京高時代に)甲子園を決めた思い出だけです」と振り返った神宮で「勝ったから反省できる。細かいミスが命取りになるので」。故障を乗り越え、様々な苦労をしてきたからこそ-。勝って喜んだ7年前とは別人の原口が、そこにはいた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス