藤浪放心…ビシエド抑え、伏兵に沈む
「中日4-2阪神」(3日、ナゴヤドーム)
怪物を封じながら、伏兵の一発に沈んだ。2-2の五回。阪神・藤浪が先頭の8番・桂に勝ち越しソロを浴びた。エースの役割を全うできず、試合後は、まるで放心状態のようだった。
「しっかり腕を振った球だったんですが、シュートして中に入ってしまった。置きにいった球ではなかったんですが…いい投げ方ができなかったです」
チームはこの試合までの阪神戦打率・538、5本塁打、11打点の4番ビシエドを徹底解剖。厳しく内角を攻め、3打数無安打に抑えた。しかし、勝利につなげられず、「ツーシームが良かったので、うまくインコースで詰まらせることができたけど、他のバッターに打たれたら意味がない」とバッサリ切り捨てた。
2年ぶりのナゴヤドームでの登板。立ち上がりから、波に乗れなかった。1点先制した直後の初回、先頭大島に二塁打を浴びると、2本の適時打であっさり逆転を許した。金本監督も「初回、立ち上がりかな、今日は。球種もうまく狙われとったしね」と首をかしげるしかなかった。
7回6安打4失点で今季2敗目。開幕3連勝して以降は、これで3試合白星なしだ。すべて4失点の結果に、香田投手コーチからは「本調子ではないのかもしれないけど、その中で、試合を作るということが大事」と奮起を促された。
ただ、決して手をこまねいているわけではない。今季初黒星を喫した4月26日・巨人戦の翌日、香田コーチとキャッチボールから投球フォームを確認した。「いい感じで投げられているので、続けていきたい」。上昇気配を漂わせていたが、すぐさま結果に結びつけることはできなかった。
「すごく悪いわけでもいいわけでもない。配球とかいろいろ考えないといけない」
最後は冷静に、自己分析した。次回は10日・巨人戦(甲子園)に向かう。エースの復調なしに、チーム浮上はない。自信を取り戻して、次こそ嫌な流れを断ち切りたい。