高山は開幕1番左翼!金本監督決めた

 「オープン戦、阪神4-2オリックス」(20日、京セラドーム大阪)

 文句なしだ。阪神のドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=が2安打1打点。オープン戦先発12試合連続安打と好調を維持するルーキーについて、金本知憲監督(47)が開幕スタメン起用を明言した。「超変革」を象徴する新たな切り込み隊長として、25日の開幕・中日戦(京セラドーム)に「1番・左翼」で名を連ねる。

 大きくうなずいた。金本阪神の初代切り込み隊長はゴールデンルーキー。オープン戦残り1試合のタイミングで、指揮官が高山の開幕1番を明言した。

 「あした4タコだからって外したら。そういう監督はいないでしょう。もし、あした4タコでも(笑)」

 開幕スタメンへ高山の準備は整ったか、という問いに金本監督はそう答えた。オープン戦のラストが、たとえ無安打で終わったとしても、メンバーから落とすことはない。最大級と言っても過言ではない評価だ。

 それほど内容の濃い、高山の2安打だった。2試合連続で「1番・左翼」で先発出場。初回にディクソンの外角140キロ直球を左前打にすると、2番・横田の四球で二塁へ。1死後、福留の右前適時打で一気に生還した。

 片岡打撃コーチは「塁に出て行ってくれたんで、ゲームに勢いがついた」と称賛。本人も「1打席目に出られたのはよかった」と安心する一打だった。

 まだまだ終わらない。二回2死一、三塁の場面で今度はカーブを捉え、左前適時打。追い込まれてはいたが、冷静に流した。「いつもそうですが、この場面でも『なんとか打つんだ』という気持ちで打席に立ちました」。必死な姿勢が実り、追加点をもたらした。

 先発出場での安打は12試合連続で、マルチとなると4試合ぶり。1番スタメンでは全3試合で最初の打席で安打を放つなど、第1打席の成績は13打数7安打。打率・538と驚異的な数字が際立つ。金本監督の発言にも背番号9は「起用法は僕は分からないので…」と話すにとどめた。

 思えば、昨年10月に負った右手有鉤(こう)骨骨折を考慮してキャンプは2軍スタートだった。そこから、シート打撃や練習試合でアピールを積み重ね1軍に昇格。「今までし烈だったポジション争いが高山が入ったことで、より激しくなった」と片岡コーチは話す。

 同期入団のドラフト2位・坂本(明大)や同6位・板山(亜大)が2軍に降格する中、奮闘し、サバイバルレースを生き残り、大役をつかんだ。「ここまで試合に出させてもらってるんで、今さらどうこうではない」。開幕前のラスト1戦も謙虚な姿勢は崩さず、全力プレーで締めくくる。

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