球児 新スタイル披露!開幕ローテグイッ

 「阪神紅白戦、白組4-0紅組」(14日、宜野座)

 阪神・藤川球児投手(35)が、宜野座村野球場で行われた紅白戦に先発した。沖縄での登板は4年ぶり。9500人の観衆の前で2回を1安打無失点に抑えた。直球の最速は147キロをマーク。多彩な変化球も披露するなど、先発として新しいスタイルを示した。

 真っさらなマウンドが球児の新しいフィールドだ。曇り空の沖縄は投球練習からヒートアップ。1球、1球に観客が沸いた。本番では代名詞の火の玉直球だけじゃなく、多彩な変化球を駆使。予定の2イニングを1安打無失点に抑えると、背番号18に大きな拍手が注がれた。

 「(先発は)独立リーグでもやっていたし変わらないです。(直球は)バッターと(の対戦が)去年の9月初め以来なので、まだまだです。(変化球も)同じくまだまだです」

 控えめな感想と裏腹に回転のきれいな直球は健在だった。初回、大和を144キロで中飛に打ち取ると、続く緒方の3球目には146キロでバットをグシャッと折った。直球の最速が147キロをマークする一方で、最も遅いカーブは104キロ。約40キロの球速差で翻弄(ほんろう)し、20歳の横田は高め直球で豪快に空を斬らせた。

 登板後も先発調整は続いていた。五回まで球場ブルペンで投球練習。5イニングを想定し、インターバルを取りながら球数26球の試合を合わせ、計65球を投じた。

 「イニングを投げないといけないので。次のための準備です」

 新境地へ、準備万端だった。球場到着後、紅組のスタメンを確認すると、配球をシミュレーション。直球、スライダー、カーブ、チェンジアップ、フォーク。クローザー時代とは違う。緩急、高低を交え、打ち取り方をイメージした。経験に裏付けされた投球術も披露した。試合後、金村投手コーチから変化球を投じる際の腕の緩みを指摘されると、「腕を緩めたフォークの後に、強く(フォークを)投げると、絶対に三振が獲れる」と持論を展開した。

 意気込みは試合前の調整から表れていた。室内でアップを終えると、キャッチボールを行わず、投手小屋へ。「アメリカでも、たくさん見てきたので」。最善を尽くす自己流調整を香田投手コーチも「アメリカンスタイルというのかな、彼もいろいろ試そうとしている」と理解を示した。

 セ5球団のスコアラーも警戒感を強めた。巨人・樽見スコアラーが「ある程度計算できる」と言うと、ヤクルト・西沢スコアラーは「(ローテに)入るのは問題ないと思う。1試合じゃなくオープン戦も見ていきたい」と先発として開幕まで注視する考えを示した。

 次回以降、イニングを伸ばす予定だ。開幕ローテをグイッと手繰り寄せた先発球児が、少しずつベールを脱いでいく。

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