江越「鳥肌立った」昇格即先制V三塁打

 「交流戦、阪神3-0ロッテ」(4日、甲子園)

 平凡な飛球に見えた白球は、あと数センチで柵越えというところまで伸びた。阪神・江越が自慢のパンチ力で決勝点を生み出した。「ずっと緊張したけど、特別な、この甲子園で久しぶりにプレーできて鳥肌が立った」。本人だけじゃない。ファンも鳥肌が立った。

 二回2死一塁。植松の真ん中低めの直球をすくい上げた。打球は高く舞い上がり、中堅・清田は定位置後方で、落下点に入ったような動きを見せた。江越は「感触は悪くなかったけど、捕球態勢に入ったので」と諦めかけた。歓声も静まった。

 だが、打球が落ちてこない。左翼から中堅へと吹く風にも乗った。清田は徐々に後退して、フェンスに張り付く。ジャンプして差し出したグラブも届かない。打球はフェンスの最上部を直撃してグラウンドに跳ね返った。

 プロ初の三塁打で先制点を奪取。「岩貞さんだったので特に先に点が取れてよかった」。ともに昇格即先発の先輩を後押しする一打に口元を緩めた。

 飛距離にはこだわってきた。オープン戦では手に取った梅野のバットを参考に、相棒をマイナーチェンジ。「ヘッドを利かせて、遠心力を出すため」。4月下旬からはグリップを細くしたバットを使用している。

 ウエスタンでは最近3試合で2本塁打。過去と比較して、技術面では大きな変化はない。重要視したのはメンタル面だった。「今までは結果を求めすぎて、冷静になれなかった。結果を恐れず、自分のスイングを意識してきた」。持ち味を出し切った成果が、飛距離にも現れている。

 開幕以降、2度の2軍降格を経験して、今回の1軍は“3度目の正直”だ。「気持ちを新たにして思い切って行きたい」。冷静な口調に、以前はなかった自信が漂っていた。

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