ゴメス口火1号 京セラ最上段へ一直線

 「阪神10-8中日」(29日、京セラ)

 阪神・ゴメスがかっ飛ばしたド迫力の飛球が、京セラドームの最上段席まで届いた。反撃ののろしは3点劣勢の四回、無死一塁。2ボールから八木の失投を見逃さない。ど真ん中の直球を待ってました!とフルスイングすると、どや顔で自軍ベンチをチラ見。昨季は開幕から18試合78打席を要した1号アーチが、15年のチーム初弾と重なって開幕3連勝を呼び込んだ。

 「いいスイングができたよ。去年はホームランまで80打席くらいかかったけど、今年は早い段階で打てて気分的にはグッドさ」

 初回2死二塁のチャンスでは、9球粘って最後は外に沈むシンカーに空を切った。1打席目で直球、スライダー、シンカーの軌道を焼き付け、予習を完了。完ぺき弾は2球続いたボールになるシンカーを悠々見送ったプラン通りの一撃だった。

 「ゴメスの一発で球場全体の空気が変わったね」。初回3失点の藤浪を援護し、福留の逆転弾につなげた快音に和田監督もえびす顔だ。試合後、ジャムパンを頬張りながら駐車場に姿を見せたドミニカンは「打てる球が来るまで粘っていい結果になったよ。1点差になってチームとしてもいける雰囲気になったね」と得意顔だった。

 開幕カードに家族を招待しなかった。ジェニファー夫人と1歳2カ月になる長女ゾーイちゃんは神戸市内の自宅で液晶画面に向かって歓声を送っていた。「最初の試合は毎年興奮するもんだよ」。節目であっても、独特の緊張感は「ないね」と笑う。気負うことなくナチュラルに…。最愛の2人を呼ぶのは鳥肌の立つような晩秋の舞台まで取っておく。

 パスポートの盗難被害で来日が7日遅れ、キャンプ地の沖縄で「ボクのセキニン」とチームメートに頭を下げた。そんなドタバタ劇もとっくに水に流された。3戦連続安打で波に乗った4番がアーチ量産態勢を整える。

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