虎歴史的惨敗…ついにファンも見放した

 「阪神5-17広島」(13日、甲子園)

 3位の阪神は、2位広島にぶざまな惨敗を喫し、自力2位の可能性が消滅した。甲子園での17失点は64年ぶり。虎党の中には当てつけで広島に声援を送る者も現れた。球団フロントは、怒りの声をどう聞くのか。9日の巨人戦後に「甲子園でぶざまな試合は見せられない」と誓った和田豊監督(52)は一体、どう受け止めるのか。

 ついに虎党も見放したのか。止まらない赤ヘルの猛攻。八回には左翼席に呼応し、右翼席の阪神ファンも広島へ声援を送る。とどめとなる田中の2ランに、球場が一体となる異様な光景が広がった。

 「歳内がしのいで、ゲームになりつつはあったんだが…その次というのが」。甲子園では64年ぶりとなる17失点を喫する屈辱の大敗。和田監督は表情を曇らせながら、試合を振り返るほかなかった。

 先発・岩貞が初回に4失点。ただ、打線がその裏にマートンの中前適時打で2点を返し、二回から登板の2番手・歳内が好投。直後の二回裏には上本の中犠飛で1点差に迫る。その場にいた誰もが、後に待つ惨劇など想像もしていなかった。

 分岐点は四回だ。福留が左中間二塁打で出塁も、伊藤隼、鶴岡が走者を進められず凡退。そして指揮官は歳内に代打・西岡を送る。

 「もちろん早い回に追いつき追い越してと。歳内も結構投げているから、そうは引っ張れない」。決断は裏目に出た。西岡は凡退し、後を受けた3番手・金田が5失点、4番手・筒井が8失点。打線は五回から沈黙。4失策もほとんどが失点に絡んだ。ファンがあきれるのも無理はない。

 「そういうところ(失策)だよな。大差になってしまうのは」と和田監督。これで自身が来季続投するために1つの目安となる2位も、自力で勝ち取る可能性が消滅。DeNAが敗れ4位とは4・5差のままだが、それを喜べるはずもない。

 前夜、連敗を止めた指揮官は「全国のタイガースファンのみなさまにご心配をおかけしました」と語った。しかし、求めているのは謝罪の言葉などではない。八回裏。右翼席のファンは再び猛虎に声援を送り、ゴメスの2ランに歓声を上げた。強い阪神が見たい。願いは、それ1つだ。

 「最後の最後まで応援してくれるファンがいる。何とか明日、喜んでもらえる試合に。ここで離されずに詰めて次に向かえるように。そういう試合にしたい」。詰めかけた観衆は今季5番目に多い4万6464人。この思いに応えずして、「猛虎」を名乗る資格などない。

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