和田監督は“元恋人”の快投に脱帽…

 「広島3-1阪神」(16日、マツダ)

 首位の頂が視界の先でかすんだ。阪神の破竹の連勝街道が止まった。昨年のドラフトで1位指名しながら抽選に敗れ、獲得できなかった大瀬良に止められた。和田政権最長となる7連勝は逃げ、ライバルを眼下に従えることに失敗した。

 序盤の逸機が最後まで響いた。一、三、四回と得点圏に走者を送り込みながら、あと1本を欠いた。三回、2死一、二塁から、一、二塁間に飛んだ鳥谷の打球は、昨年も厚い壁になった菊池の好守に阻まれた。

 「オープン戦のころより、少し球が強くなっていたかな。左バッターへのカットボールが邪魔になってたね」。鳥谷が、福留が、強気に内角を突いた新人右腕に苦しめられた。和田監督はあらためて、心を焦がした恋人の潜在能力を認めさせられた。

 ルーキー対決。9日のDeNA戦でも、7回1失点と好投した岩崎への援護は1点だけだった。この日も…。六回、無死一塁から、ゴメスの中前打に敵失が重なる間に1点を奪うのがやっとだった。

 「(連勝が)止まることよりも、止まった次の試合が大事。明日やね」。虎将はスイッチを素早く切り替えた。必ずチャンスは訪れる。リベンジも、首位に立つことも。岩崎への謝罪の念を反撃の礎とする。

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