雨にも負けず藤浪10勝目 江夏以来の快挙

 「阪神2‐1広島」(31日、甲子園)

 阪神の藤浪晋太郎投手(19)が先発し6回1失点で10勝目。セ・リーグでは1967年の江夏豊以来、46年ぶり5人目となる高卒新人2桁勝利。途中、雨のため中断を強いられながら六回2死には木村から今季100奪三振目。8月は無傷の4勝、月間MVPも視野に入る活躍。ルーキーが停滞するチームの救世主になった。

 雨ニモマケズ、風ニモマケズ‐。そんな男だからこそ、積み上げられた勝ち星だ。約1カ月半ぶりに甲子園のマウンドを踏んだ藤浪。悪天候の中、高校時代から不敗の聖地で、高卒新人では07年の楽天・田中以来、セでは67年の阪神・江夏以来となる46年ぶりの2桁10勝を手にした。

 台風の影響で、試合前から吹き荒れる強風。そして時折降り出す雨。それでも「足元が滑らないようにというぐらい。気にすることはなかった」。そう言えるのが、すごさの一端だ。

 初回は「自分で自分の首を絞めた」と、2死から丸の強烈なゴロを左太もも内側に受け、一塁へ悪送球。一気に打者走者が三塁へ到達。だが、続くキラを空振り三振に斬り、要所を締めた。

 新人離れした対応力。この日も光を放つ。二回、同点とされなお1死一、二塁でバリントンが試みた犠打が、小飛球となった。これを藤浪はワンバウンドで捕球し三塁へ送球。三塁・西岡から二塁へ転送され併殺打に仕留める頭脳プレーで危機を切り抜ける。

 「普段から練習もしているし、準備できていた」と藤浪。簡単なことではない。この試合は初回から「ブルペンで投げてバランスがよかった」と無走者でもセットポジションを選択。常に勝利へベストの選択をできる能力こそ、真骨頂だ。

 そして、ここ一番での爆発力。再び1点のリードを受けた五回。1死満塁と最大の危機を迎える。「試合のターニングポイントだと思ったので力いっぱい投げた」と、丸を見逃し三振。キラは147キロ直球で三邪飛に取り、力でねじ伏せた。

 進化の形も見せる。丸を見逃し三振に取ったのは外角カットボール。あまり使わなかった攻めだが「清水さんのリードに対応できた。これで、今後に引き出しが増えたと思う」と話す。

 10勝目を「通過点でしかない」という。だが、ビッグなプレゼントが待っている。大阪桐蔭の先輩・西岡から、10勝到達の暁にはオーダーメードのスーツをプレゼントされる約束。西岡が愛用しているトムフォードのスーツ。最高で400万もする最高級ブランドだ。

 「10勝できなかったら、黄色とか赤とか、安物の派手なスーツを着てキャンプインせなあかんぞと言っている」と西岡。こちらの“罰ゲーム”も見事に回避した形だ。

 チームは4連敗中だったが「ちょっと空気が良くなかったので、思い切って自分の投球をしようと思った」と底を見せない黄金右腕。和田監督も「11、12と積み上げていって欲しい」と期待を寄せる。巨人とは8差。だが「まだまだ優勝をあきらめてはいけないと思う」。藤浪のその言葉は、虎党の胸に響いたはずだ。

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