和田監督継投裏目…痛恨連敗7・5差に
「阪神4-6中日」(1日、甲子園)
このまま勝てるかも…という虎党の淡い期待はもろくも崩れた。1点リードの六回、阪神の救援陣がつかまった。先発の岩本から筒井、西村とつないだが、西村が1死も奪えないまま降板。1死満塁で加藤が被弾し、勝負の流れは決した。継投失敗で巨人とは7・5差。2日からは東京ドームで伝統の一戦だ。3連戦で2敗すれば、巨人に優勝マジックが点灯してしまう…。
どうしても勝ちたかった。勢いをまとって東京に乗り込みたかった。勝利への執念をたぎらせた、万全を配したはずの継投が、地獄への落とし穴となった。大誤算が和田監督の表情を曇らせた。長期ロード前最後の甲子園で、タテジマが涙雨にぬれた。
1点リードの六回、1死。1回1/3を完璧に封じた筒井から西村へのスイッチ。ベンチは即座に動いた。和田、平田と右打者が続くオーダー。予定通りの継投策だった。ただ、七回ではなく、まだ六回。白星に向けて稼がなければならないアウトは8個ではなく、11個だった。しかも、イニシアチブは1点。延長戦を視野に入れれば、早い!と感じた動きだった。
左前打にストレートの四球。西村の制球は不安定だった。次打者は左打者のクラーク。しかし、ここでベンチは動かなかった。続投で四球。満塁で投入した加藤が逆転満塁弾。先手を打った策が、後手に回った。そんな感覚が胸に去来した。
「六回やね。想定通りの継投?そういうこと。クラークに加藤?結果を見れば、いろんなやり方があったと思うけど、こっちはそれが一番いいと思ってやってるわけだから。西村はある程度、修羅場をくぐってるピッチャーなんで」。考えを巡らせ、打った策に悔いはない。ただ、結果として裏目に出た事実を和田監督は潔く受け止めた。
中西投手コーチも同調した。「(筒井の)続投は頭にない。(リリーフ陣を)7枚入れてるわけだから。駒を信用してやらんと」。筒井が前回登板の7月28日・DeNA戦で、2イニング目に失点したことも理由のひとつかと問われると「それもある」と明かした。
首脳陣の言葉にブレは見当たらない。しかし、結果をモノにできなかった現実が、後半戦2勝6敗と急降下をたどるチーム事情を物語る。
首位・巨人との敵地決戦を前に、ゲーム差は今季最大の7・5に開いた。視界から消えゆく背中。「甲子園での6試合、ファンを喜ばせて帰ってもらうことができなかったけど、明日からが大事。前を向いて、まだまだという気持ちでやります」。幕を閉じるには早すぎる。猛虎の意地、タテジマの底力を見せてくれ。
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