自力V消滅も…和田虎まだ終わらん!

 「中日4‐2阪神」(9日、ナゴド)

 阪神の自力優勝の可能性が消滅した。中日に完敗。首位の巨人は広島に逆転勝ちし、優勝へのマジック39が点灯した。和田豊監督(50)は四回以降、無得点に抑えられた打線を嘆いた。ただ優勝への望みが完全に消えたわけではない。踏ん張るしかない。

 8月9日。野球の日。猛虎軍に厳しく、重い現実が突きつけられた。タテジマが名古屋で泣き、巨人が広島で笑った夜。頭上でかすかに光っていた自力優勝の可能性が消えた。宿敵に優勝へのマジックナンバー39が点灯した。

 試合前の時点で7・5差。後半で離された5ゲーム。49試合を残していたとはいえ、タテジマに後退の余地はなかった。文字通り、毎日が徳俵。勝ち続けることでしか、宿敵との溝を埋める方策はなかった。しかし…。寝苦しい夜になった。

 初回に負った2点のビハインド。いきなりの劣勢。新井良の自己最多となる12号ソロ。鳥谷の16試合連続安打となる適時打で、一度は肩を並べた。だが、直後にスタンリッジが和田に被弾。再び竜に突き放され、敵が視界から遠ざかった。

 左腕アレルギー。和田監督の表情が曇った。前夜の広島・中村恭に続き、大野に苦戦した。後半戦は先発左腕と7度対戦し、土を付けたのは1度だけ。「今は反発力がない。ちょっと左が打ててないのは気になるけどね。かといって、今すっと解決できる答えはないんだけど」。虎将の口調も湿った。

 落とせない星を落とした悔しさと無念。和田監督が珍しく嘆いた。「あれをセカンド行かれてたらいかんわね」。初回1死二塁で、左前適時打を放ったクラークが二塁に進んだ場面。マートンからの返球は本塁左にそれたが、藤井彰が前に出ず、待って捕球したがために奪われた二塁。2失点目につながったシーンを深く悔やんだ。

 スタンリッジにも波及した。「あの一発でも、3ボールから一発食らったらいかんわ」。同点とした直後の三回、2死。カウント3ボール1ストライクから、中堅左に147キロ直球を運ばれた失投に猛省を促した。

 8年ぶりのリーグ優勝を目指した今季。戦況は厳しさを色濃くした。ただ、望みが完全に消えたわけではない。わずかにでも可能性は残されている。今はただ、踏ん張るしかない。

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