ダメ虎の夏…猛抗議も実らず完封負け

 「阪神0-1中日」(31日、甲子園)

 銀傘に跳ね返る失意のため息。反攻を促し、期待して揺れた無数のメガホンが音を無くした。スコアボードに刻まれ、並んだ9個のゼロ。3安打。阪神が今季15度目の完封負け。猛虎がキバを折られた。無風の聖地を不快指数満点の蒸し暑さが包んだ。

 まさかの展開だった。七回、2死まで完全投球。20打者連続で出塁を拒まれた。10日の今季初対戦で、七回途中5失点KOに追い込んだ2年目右腕・西川の術中にハマった。

 それでも鳥谷が完全試合を阻止する四球を選び、マートンが無安打無得点試合を阻む中前打で一打同点の場面を整えたが、新井が二ゴロ。九回にも大和、鳥谷の連打で岩瀬を攻め、一発サヨナラの局面をつくったが、マートンが二ゴロでジ・エンド。1点がとてつもなく重く、遠かった。

 異変を悟った四回の攻撃前、前夜より1イニング早く一塁側ベンチ前で円陣が組まれた。だが…。「打てそうで打てんかった。ツーシームとかな。打ち損じが多かった。ボールが速いわけじゃないのにな」。水谷チーフ打撃コーチの嘆きが、むなしく響いた。

 和田監督が血相を変えた。七回、先頭の坂。カウント1ボール2ストライクからの4球目。外角低めに沈んだ130キロ変化球に佐藤球審の右手が挙がった。「低い!」。ベンチを飛び出し、本塁付近で声を荒げた。判定が変わらないのは承知の上。ただ、反撃の鍵を握る先頭打者。異議を唱(とな)えずにはいられなかった。

 「審判がストライクと言えばね…。どうすることもできない。今日はキャッチャーが谷繁じゃなかった分、配球が変わってた。いつもなら勝負球で使えないフォークを使ってたし、低めに手を出しすぎたね」。蓄積データの少ない捕手・松井雅の配球に読みを外されたことも、和田監督は敗因のひとつに挙げた。

 首位・巨人との差は、今季最大の6・5に開いた。視界から遠のく宿敵の背中。残り56試合。まだ終わっちゃいない。8年ぶりのVへ向かう歩み。夢を閉じるには早すぎる。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス