連覇消滅…アジアで勝てないハリル監督

 「東アジア杯、日本1-1韓国」(5日、武漢)

 男子の第2戦が行われ、日本は韓国と1-1で引き分け、1分け1敗の勝ち点1で2連覇の可能性が消えた。日本は前半にPKを与えて先制を許したが、同39分にC大阪MF山口蛍(24)の代表初ゴールで追い付いた。日本は9日の最終戦で中国に勝っても勝ち点4。同日に同4の韓国と同3の北朝鮮が対戦し、どちらかが勝ち点5以上となる。日本と韓国の国際Aマッチの対戦成績は日本の13勝23分け38敗となった。

 何かを得ることはできたのだろうか。先制を許しながらもMF山口の代表初得点で追い付きはした。ただ、そこまでだった。宿敵韓国と引き分けに終わり、連覇はついえた。6月のW杯2次予選シンガポール戦のスコアレスドローから数えてアジア勢に3戦勝ちなし。オシム監督時代の07年7月以来(PK戦は引き分け扱い)8年ぶりとなる不名誉な記録にも、ハリルホジッチ監督は「この大会で一番強い相手と引き分けに持ち込めたことは少し満足するべきだ。よく戦った選手を評価したい」と満足感すら漂わせた。

 初戦の北朝鮮戦から先発メンバー5人を入れ替えた。FW宇佐美をベンチに置き、初選出のFW倉田、MF藤田を初先発させた。序盤から積極的に前へ出て“ガス欠”に陥った北朝鮮戦を踏まえて抑え気味に入った。ブロックを敷いて守備的とも言える戦い方を選択。結果、試合を通じてほぼ韓国にペースを握られた。後半25分から3枚の交代カードを全てFWの選手に費やしたが効果的な一手とはならず。具体的な策を講じることなく終了の笛を聞き、「就任してから初めてチャンスの少ない試合だった」と嘆くしかなかった。

 低調な試合に終わった要因を指揮官はまたもフィジカルに求めた。「ハイプレスを掛けることは不可能だった。何人かの選手は疲労で動けなかった。ある程度、リアリストにならないとハイレベルな戦いで結果は出ない。DFの背後に(縦の)ボールを要求できるほどのクオリティーもなかった」。勝ち点3を得るため、自らが標榜する“縦に速いサッカー”を封印して現実主義に徹した。それでも結果が出なかったことは厳然たる事実だ。

 アルジェリア代表を率いた昨夏のW杯ブラジル大会1次リーグで韓国と対戦した際には4-2と完勝していたが、アジアの地で再び“魔法”は通じなかった。北朝鮮戦ではロングボールから2失点を喫したが、この試合では韓国の196センチFW金信煜をターゲットとした攻撃に耐え切り「我々はディフェンス面で強さを見せた」と“成果”を強調した。「3試合目はトライして勝利を探しにいく」と前を向いた。開催国中国との最終戦には国内組の真価とともに、指揮官の真価も問われることになる。

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