滝川二4強ならず 主将今井はPK2本献上し退場「申し訳ない」

 「サッカー・全国高校選手権・準々決勝、滝川二0-2前橋育英」(5日、フクダ電子アリーナ)

 準々決勝4試合が2会場で行われ、2大会ぶり19度目出場の滝川二(兵庫)は0-2で前々回大会準優勝の前橋育英(群馬)に敗れ、全国優勝した10年度以来6大会ぶりの準決勝進出を逃した。10人で3試合計13得点を挙げてきた攻撃力を封じ込まれ、主将のDF今井悠樹(3年)が献上した2本のPKを決められた。

 2本のPKに滝川二の快進撃は止まった。1点を追う後半37分、DF今井が前橋育英FW人見を倒してPKを献上し、警告を受けた。今井は前半に相手の先制点となるPKを与えた際にも警告を受けており、2枚目のイエローカードで無念の退場処分。主将は白いユニホームで大粒の涙を拭いながら高校生活最後のピッチを去った。

 残り3分で2本目のPKを決められ、勝負の行方は決まった。今井は「キャプテンが退場してチームに迷惑を掛けてしまった。申し訳ない気持ちでいっぱい」と頭を下げた。観客席には同校OBでJ1鹿島FW金崎夢生の姿もあったが、偉大な先輩の前で6大会ぶりの4強進出を決めることはできなかった。

 3回戦までの3試合で計13得点を挙げた攻撃力が沈黙した。シュート5本に抑えられ、今大会2得点のFW山田もシュート0。日本代表FW岡崎も背負った背番号9を受け継ぐストライカーは「岡崎さんの名を汚してしまったかもしれない」と目を赤く腫らし、松岡監督は「技術の差を感じた」と素直に完敗を認めた。

 今季は全国高校総体で3回戦に進出したが、プレミアリーグ、プリンスリーグより下部の県リーグで2位に終わっており、前評判は決して高くなかった。全国制覇の夢はかなわなかったが、最後は10人となってもゴールを狙い続け、滝川二らしさは随所に見せた。同大進学が決まっている山田は「大学で頑張って東京五輪に出たい」と3年後を見据えた。涙に暮れた敗戦が、新たな夢の始まりとなる。

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