熊本出身DF植田、故郷へ勇気与えたい

 「サッカー・U23国際親善試合、日本-ガーナ」(11日、鳥栖ベストアメニティスタジアム)

 リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子のU-23日本代表は10日、熊本地震の慈善試合を兼ねたガーナ代表戦の試合会場となるベストアメニティスタジアム(佐賀県鳥栖市)で前日練習と公式会見を行った。練習前には手倉森誠監督(48)や選手、スタッフが募金活動を実施。熊本県宇土市出身のDF植田直通(21)=鹿島=は被災地を思い、「戦う姿勢を見せて勇気を与えたい」と決意を語った。

 飾り気のない語り口から、故郷への実直な思いがあふれた。熊本地震の慈善試合となる一戦。植田は「戦う姿勢を見せて勇気を与えたい。それができれば結果は付いてくる」と言葉に力を込めた。

 練習前には手倉森監督らとともにスタジアムコンコースで募金活動を行った。降りしきる雨の中、100人を超える善意が集まった。故郷である熊本から駆け付けた人もいたと言い、「悪天候にもかかわらず来てくれた人に感謝したい。僕を心配して応援してくれた」と頭を下げた。

 震災発生直後の4月16日に行われた湘南戦(BMWス=平塚)後に、傷ついた故郷を思い涙を流した。18日には小笠原ら鹿島の有志6人で熊本を訪れ支援活動も行った。「今の生活が当たり前じゃない。いい環境でサッカーをさせてもらっている幸せを感じながらプレーしたい」と、かみ締めるように話した。

 母校である熊本・大津高の同級生MF豊川雄太(岡山)は負傷で招集を辞退。「悔しい思いをしている。チャリティーマッチで勇気を与えられる場所だった。あいつの分まで戦いたい」と、盟友を思い決意を新たにした。

 入場券の販売状況は10日時点で約6000枚と苦戦している。入場料収入など収益金は義援金として全額寄付されるため、多数の来場が被災地への支援となる。「たいへんな方々もいるので無理にとは言えない。テレビでもいいので、熊本出身の僕が頑張っている姿を見て欲しい」。今、持てるすべてを、植田はピッチにぶつける。

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