「天皇杯・決勝、Ｇ大阪-山形」（１３日、日産ス）

　００年の鹿島以来、史上２チーム目となる３冠を狙うＪ１Ｇ大阪は１１日、決勝のＪ２山形戦へ向け、大阪府吹田市内で非公開調整した。日本代表ＧＫ東口順昭（２８）は零封での必勝を公約。相手は、来季のＪ１昇格を決めて勢いがあり、初優勝を目指す山形だが、Ｇ大阪が昇格初年度３冠獲得という史上最強の下克上完結へ挑む。

　３冠へ向けて、ＧＫ東口が完封を誓った。リーグ戦では１４戦完封、クラブ記録更新にも貢献し、「点を入れられないように徹底していく」と意気込んだ。

　相手は、Ｊ１昇格プレーオフで劇的な勝利を飾った山形。長谷川監督は「勢いがある、切れ味鋭いナイフのようなチーム」と警戒を口にする。そこに関して東口は「簡単なゲームにはならないと思う」と同調しつつ、「個人で戦うんじゃないんで。チームが勝てればいい」と力を込めた。

　ただ、相手ＧＫ山岸のように攻撃参加の可能性を問われると「僕は上がりません」と、笑わせる余裕ものぞかせ、同時に負けん気も隠さなかった。

　大阪府高槻市出身。ジュニアユースに所属したが、ユース昇格はならず、大卒で新潟を経て今季“古巣”に移籍。リーグ優勝が決まった際には、指揮官から今季のＭＶＰに指名された。「最高の形。どんどんタイトルを取れるようなチームであり、選手になりたい」と涙を流した。

　天皇杯は、チームで唯一全試合に先発。５戦４失点と決勝進出の立役者だ。展開によっては延長戦やＰＫの可能性もあるが「ゼロに抑えていれば点は取ってくれる。その気持ちは延長になっても変わらない」ときっぱり。ガンバの守護神は、今季最後の大一番も仲間を信じて守り抜く。