一翔、大逆転V4&王座統一 長谷川に並んだ歴代2位世界戦13勝!

 「ボクシング・WBA世界フライ級王座統一戦」(31日、島津アリーナ京都)

 史上最速の世界3階級制覇王者・井岡一翔(27)=井岡=が、暫定王者のスタンプ・キャットニワット(18)=タイ=に7回2分51秒TKO勝ちし、4度目の防衛と、団体内の王座統一を果たした。2回にダウンを奪われながら、7回2度のダウンを奪い返して大逆転した。世界戦13勝は、元世界3階級制覇王者・長谷川穂積氏(36)に並ぶ歴代2位。「不死鳥魂」を継承する勝利で、6年連続の大みそか戦を締めた。今年はいよいよ他団体との王座統一戦、そしてフィアンセで歌手の谷村奈南(29)との結婚とビッグイヤーが幕を開けた。

 除夜の鐘代わりに、一翔の猛打が古都にとどろいた。7回だ。左ボディーをめり込ませる。苦もんの顔で崩れ落ちるスタンプ。立ち上がった相手に容赦なくパンチの雨嵐だ。右ボディーが再び突き刺さると、18歳は膝をつきダウン。嘔吐(おうと)させ、戦意を根こそぎ断った。

 2回に右をもらい、10年のヘリ・アモル(インドネシア)戦以来、2度目のダウンを喫した。「やられたらやり返す!!倍返し!!」と、絶対倒すと期した。

 引きずらず、立て直すのが一翔のすごみだ。右を合わせられていたが、左ボディーのタイミングをずらす。上下への打ち分け、多彩な引き出しで、中盤以降は格が違いすぎた。

 世界戦3戦連続KO劇は必勝の“完成形”が近づきつつあることを意味する。ボディーでジワジワと弱らせ、終盤にギアを上げ、的確に息の根を断つ。その任務遂行に狂いがないことが一翔の武器だ。

 世界戦14度目、最強の域に達した。積み重ねた肉体の強化、食事面ではパスタ、パン、白米を食べないグルテンフリーを続ける。婚約者の谷村からも愛のサポート。「すべてが合わさってきた」と実感する。

 4年前から取り組む骨盤、膝関節のゆがみを修正し、パワーを引き出すトレーニング「リアラインコンセプト」。0・1秒内の反応、瞬発力で過去最高数値を記録した。

 長谷川氏に並ぶ世界戦13勝。京都で不死鳥魂の“禅譲”となる儀式を終えた。17年は、いよいよ統一戦と一翔のビッグイヤー。井岡一法会長も「夢に向け動く」と明言した。

 この日、初めて谷村の曲を使いリングに上がった。『奇跡を起こせ 君のために戦うから♪』と会場に響いた歌詞の曲名は「YOU&I」。愛のために絶対に負けられなかった。

 「最愛の人に最大の感謝を伝えたい。ハッピーニューイヤー」とリング上で吠えた。最愛の人にKOを捧げ、結婚へも機は十分に熟してきた。

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