内山、強すぎV10 三浦と統一戦浮上

 「WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ」(6日、大田区総合体育館)

 ボクシングのWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志(35)=ワタナベ=が2回TKO勝ちで日本歴代2位タイとなる世界王座10度目の防衛に成功した。ムエタイ王者で日本人キラーの異名を取るジョムトーン・チューワッタナ(25)=タイ=を強烈な右ストレートで打ち砕いた。渡辺均会長(65)は次戦にビッグマッチを約束した。

 一瞬かがんだジョムトーンの顔面に、右ストレートを打ち下ろした。「右目の下。骨を殴った感じだった」と振り返る強烈な一撃。あおむけに倒れた挑戦者はピクリとも動かぬ半失神状態。「圧倒的な強さを見せたい」という予告通りの2回TKOだった。

 1回は互いにジャブで探り合う静かな立ち上がりで、内山の放った右ストレートで一変した。この一発でジョムトーンの右目をつぶし、ペースを完全に握った。「距離を取ってくると思っていたが、意外に近かった。当たればどちらかが倒れる」と、巧みにフェイントを使い、タイミングよくワンツーを放った。

 「1ラウンドから右ストレートが入った。右が当たればいけると思っていた。ただ、こんなに早く決着すると思わなかった」と笑顔で振り返った。

 世界的に知名度は低いが強さは折り紙付きの相手。「はっきり勝たないといけない。あからさまに強さを見せつけないといけなかった」と誓っていた。13年のパーラとのV7戦以来となるKOはひときわ喜びがある。

 スーパーチャンピオンとなり、今後さらに相手の質を求める。「ファンを熱狂させたい」と思いは広がる。ゲスト解説を務めたWBC同級王者の三浦隆司(帝拳)との統一戦プランも再燃の気配だ。ラスベガス進出の目もある。渡辺均会長は「内山あってのワタナベジム。感謝している。彼がやりたいというなら、かなえてやりたい」と約束した。

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