【リオ五輪検証】頼もしい“御四家”の活躍 「稼ぎ頭」しっかり成果

 「リオから東京へ 検証ジャパン(1)」

 南米で初開催となったリオデジャネイロ五輪が21日(日本時間22日)閉幕した。競技面では2020年に自国開催の東京五輪を控える日本は史上最多41のメダルを獲得。競技力の向上を示し、4年後に向けて弾みをつけた。一方で施設の不備や治安面など運営面では大きな課題を示したリオ五輪を“反面教師”として、どう4年後に生かせるか-。今大会の成果と、東京五輪への課題を検証する。

 目標だった金メダル14個には及ばなかったが、金メダル12、銀メダル8、銅メダル21のメダル総数41は、12年ロンドン五輪の38を上回る史上最多となった。その土台となったのが、スポーツ庁の鈴木大地長官が「御三家」になぞらえて「御四家」と称する柔道、水泳、レスリング、体操の四つの基幹競技だった。

 41の内訳は、柔道で12、水泳で9、レスリングで7、体操で3の合計31個と、全体の約4分の3を占める。金メダルでも日本が獲得した12個のうち、11個がこれら4競技によるもの。日本選手団の高田裕司総監督が「歴史があり、メダルを取るノウハウもある」と評する「稼ぎ頭」がしっかりと成果を挙げた。

 ロンドン五輪で金メダル1つと期待を裏切った柔道だったが、男子の井上康生監督、女子の南條充寿監督の下、金メダル3、メダル総数12と復活ののろしをあげた。男子は全階級でメダルを獲得。大野、ベイカーという若き金メダリストも誕生した。ただ、かつての看板階級だった男女の軽量級、男子重量級で優勝者が出なかった。東京での完全復活への鍵となりそうだ。

 競泳はロンドン五輪で獲ることができなかった金メダルが2つ誕生。1人で金1、銀1、800メートルリレーで銅1の3つのメダルを獲得した萩野は、まだ伸びしろは十分。また、メダルには届かなかったが、複数種目で日本新を連発した池江ら高校生が大舞台を経験できたのも大きい。

 体操は大目標に掲げていた男子団体で12年ぶりに金メダルを獲得。王者内村が死闘を制し、個人総合で連覇を達成するなど、インパクトの大きい2つの金メダルだった。また、次世代のエースとして期待がかかる白井が種目別跳馬で銅メダルを獲得したのも好材料。体力的なピークを過ぎた内村のスペシャリスト転向が予想される4年後。個人総合で新たな大黒柱の育成が重要な課題となる。

 終盤に金メダルラッシュをみせたレスリング。全競技を通じて女子史上初となる4連覇を達成した伊調、世界大会連覇がストップした吉田の去就は不透明ながら、登坂、土性、川井の若手で3つの金メダルを獲得したことは大きい。影の薄かった男子も銀メダルが2つ。東京に向けて、いい形で世代交代が進んだといえる。

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