元王者・湯場忠志、涙の引退セレモニー
史上初の国内5階級(ライト、スーパーライト、ウエルター、ミドル、スーパーウエルター級)を制覇した湯場忠志(38)の引退セレモニーが10日、後楽園ホールで行われた。
引退記念スパーリングは東洋太平洋、日本ミドル級王者の柴田明雄(33)=ワタナベ=と2分2ラウンドを行った。
テンカウントゴングが鳴ると、多くの声援と拍手が飛んだ。湯場は涙を流しながら「泣かないつもりだったけど、いろいろ思いがこみ上げた。多くの人の支えで長くできました。ボクシングだけの人生でした」と言葉を詰まらせた。
湯場は96年のデビューから昨年まで18年間リングに立ち続けた。00年にライト級王者となり、その後は陥落の度に階級を上げミドル級まで王座を獲得、すべての階級で防衛に成功したレジェンドボクサー。
最後はスーパーウエルター級王座に復帰。陥落後、昨年12月に東洋太平洋同級王座決定戦で、デニス・ローレンテ(フィリピン)に6回TKO負けしたのがラストマッチとなった。通算成績は58戦46勝(33KO)10敗2分。
今後は5月をめどに故郷の宮崎市内でボクシングジムを立ち上げる。会場にはアマでビューした長男の海樹君(高2)の姿もあった。息子はもちろん、果たせなかった世界王座獲得の夢を後継者に託す。
