覆面レスラーが土俵でけいこ 東関部屋

土俵で稽古するプロレスラーのSUSHI。奥は東関親方と元高見盛の振分親方(右)=東京・東駒形の東関部屋
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 全日本プロレスのSUSHIが4日、東京・墨田区の東関部屋に一日入門し、けいこを行った。覆面レスラーが土俵に入るのは超異例。2・17名古屋大会で同部屋出身の元横綱曙と組み、アジアタッグ王座に挑戦するSUSHIに対し、曙から「1回、東関部屋でけいこしろ!」と指令が出たもの。古巣で師範代を務める曙は所用で不在だったが、SUSHIは頭にエビの寿司が乗った試合用の緑の覆面姿で午前8時から約2時間、汗を流した。

 てっぽうでは東関親方(元幕内潮丸)から「SUSHI、もっと強く!ひじをしっかり伸ばして」と注意され、185センチ、143キロの高三郷とのぶつかりげいこでは振分親方(元小結高見盛)から「最初から最後まで足をしっかりつけて」とゲキが飛んだ。股割りでうめき声を上げたSUSHIはけいこ後汗だくで、疲労困ぱいの様子だった。

 「最初は横綱にどういう意図があるのか分からなかったけど、精神力(強化)が主だったのかなと思った。タッグ戦で自分が負けることが多いけど、『あと一歩で気持ちで負けないよう勉強してこい』ということ」と納得の表情を浮かべた。

 自ら東関親方の許可を得て、覆面のまま力士に交じって土俵に入ったが、「この場にいると違和感があった。違うところに来たなと。神聖な場所というのをヒシヒシと感じた」と苦笑い。高三郷も「タレントさんとかも来たことはあるけど、覆面の人は今までいない」と珍しがった。

 中堅レスラーも初体験のメニューに苦しんだ。「股割りもきついし、四股(しこ)はプロレス界で本格的にやってる人は相撲出身者以外でいない。10回で足がいっぱいいっぱいになるくらい。普段のスクワットで使わない筋肉も使うから。ぶつかりげいこは見てる分にはすんなり押してるように見えるけど、自分でやるとまったく動かない。すごいと思った。(特に)四股は継続したい。自分のためになるんで」。

 初場所は三段目で勝ち越した高三郷から「ウチの新弟子よりいい。1週間やれば、序二段レベルになる」と持ち上げられると恐縮した。激しいけいこを体感し、ともにベルトに挑むパートナー・曙への尊敬度が飛躍的に増した。「このけいこを極めて相撲界の頂点にいったんだから、想像つかないくらいすごい人なんだと思った」と明かした。

 アジアタッグ挑戦前に7日からジュニア戦士によるリーグ戦「Jr. BATTLE OF GLORY」も控えるSUSHIは、ベルト取りと決勝進出を公約。「次回はベルトを持って、横綱と2人で東関部屋に来させていただきたい」と誓った。ひと皮むけたSUSHIが、次はリングで暴れ回る。

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