イチはウソつかない!ビデオ判定も…
「ダイヤモンドバックス3-1マーリンズ」(20日、フェニックス)
マーリンズのイチロー外野手(41)は「1番・右翼」で出場し、3打数1安打1四球。7試合連続安打で打率を・266とした。試合は、マーリンズが敗れて後半戦勝ち星なしの4連敗。借金は今季ワーストを更新する17となった。
イチローがフィールドに倒れ込んだのは初回の打席だ。カウント1-1からの3球目、153キロの速球が顔面付近に投げ込まれた。巧みに体をひねって直撃を回避したかに見えたがボールはグリップ周辺に当たり、一塁ファウルエリアで大きく跳ねた。
球審はすぐ「死球」をコール。イチローも一塁へ歩いたが、敵軍ベンチがボールの跳ね方を疑問視し、ビデオ判定を求める“チャレンジ権”を行使。1分32秒の審議の結果、ボールは指ではなく、バットに当たったとして判定は「ファウル」に変更された。
思わず、苦笑いを浮かべて打席に戻ったイチロー。その苦笑いには理由があった。
「当たってる。当たってなかったらあんな(左手を触る)ことやらないですから」。
試合後のクラブハウスでイチローはそう言って赤みを帯びた左手親指を見せながら「ラッキーだったよ。ここ、嫌なところだもんね」と、骨折の可能性もあったシーンを振り返った。
カウント1ボール2ストライクから再開された結果は三ゴロ。悔しい打席となったが、痛い思いをしたにもかかわらず、抗議ひとつしなかったのは「どっちかって言ったら、打ちたいから」とイチロー。オリックス時代の近鉄戦を思い出しながら「僕、当たってても当たってないふりして、(捕手の)光山さんが当たったよって審判に言ったぐらいですから。で、歩かされましたから」と話した。
この日は八回の打席で中前打を放ち、連続試合安打を「7」に伸ばした。6月19日から7月8日まで自己ワーストの34打席連続無安打(3四球、2犠打含む)を記録したが、その後の28打席は11安打1四球。直近7試合の打率は・435(23打数10安打)と結果を残している。
守備では頭脳的プレーも披露した。六回1死満塁の場面で右前に落ちた打球を素早く処理し、一塁走者を二塁で刺して今季2個目の補殺を記録した。
低いライナー性の打球。インパクトの直後に捕球は無理と分かっていたと言うイチロー。それでもチャージをかけたのは「(一塁走者を)どうやってだますか。捕ること(意思)をランナーにどう見せるか。その技術だから」と説明した。その動きにだまされ、一、二塁間で躊躇(ちゅうちょ)した走者は、打球が落ちた瞬間に二塁を目指したものの時すでに遅し。ワンバウンドで打球を処理した後、まるで内野手の併殺プレーのようにノーステップでサイドから送球したことには「あれは大した技術じゃない」とさらりと言った。

