イチロー、今季初3戦連続安打 敵軍の強風安打に「あれを捕れるのはよっぽど下手な選手」

試合前のフィールドでストレッチをするイチロー=フィラデルフィア、シチズンズバンク・パーク (撮影・小林信行)
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 「フィリーズ1‐9マーリンズ」(23日、フィラデルフィア)

 マーリンズのイチロー外野手(41)は「6番・左翼」で出場し、5打数1安打。今季初の3戦連続スタメンで3戦連続安打を記録し、打率を・257(35打数9安打)とした。この日は得点はなく、王貞治氏のもつ通算1967得点の日本記録まであと「1」のままだった。

 腰の張りを訴えている正左翼手のイエリチに代わり、今季初めて3試合連続の先発出場となったイチローは二回無死一、二塁の好機に空振り三振。過去の対戦成績・444(18打数8安打)と相性のいい右腕マゴワンに対し、カウント1-2からの5球目、150キロ速球にバットは空を切った。両軍無得点の四回の打席は再び無死一、二塁のチャンスで遊ゴロ。カウント0-2と追い込まれた後の3球目、142キロスライダーにバットを折られた。

 4点リードの五回1死一塁の場面は、中継ぎ右腕ネリスに対し、カウント3-1から外角高めの148キロ直球を打って出て左飛。リードを8点に広げた七回は先頭で3戦連続安打となる左前打。3番手右腕、デフレイタスに対し、カウント2-1から外角143キロのツーシームをとらえて左前へ運んだ。九回無死二塁の場面は、5番手右腕のゴメスに対し、カウント1-1から3球目、内角低めスライダーをとらえ切れずに遊ゴロだった。

 今季2度目の2連勝に沸くクラブハウス。イチローが呆れ顔で振り返ったのは九回1死一塁の場面の守備だ。フィリーズの5番、ラフが放った飛球に一旦は下がったまではよかったが、打球は強風に押し戻されるようにして自身の前にポトリ。不運な二塁打となった。

 「場外ホームランと思ったからね。どこまで飛んでいくのかな、と思って(後退した)。なかなかないでしょ、最終(落下)地点が手前になるって。あれを捕れるのはよっぽど下手な選手ですよ」。

 八回までに2つの飛球を含め、5つの打球をノーミスで処理していたイチロー。「想定外のことはほとんど起きないけど、最後のは想定外でした」と表現したほどのプレー。場内には風向きの参考にする旗が設置されているが、「旗なんて関係ないですよ、(上空で風は)回ってますから」。僅差の展開だったことを考えるとゾッとするプレー。10年連続ゴールドグラブ受賞の名手も自然の力には勝てなかったようだ。

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