五輪やプロ野球など長年にわたりＮＨＫのスポーツ中継の顔として活躍した元ＮＨＫアナウンサーの西田善夫（にしだ・よしお）さんが２７日午後３時１０分、心不全のため都内の病院で死去していたことが２８日、分かった。８０歳。

　西田さんは１９５８年にＮＨＫに入局。主に野球、バレーボール、アイスホッケーの実況を担当。わかりやすい表現の実況で親しまれた。五輪の実況も６４年の東京大会から９２年のバルセロナ大会まで夏季冬季合わせて１０大会で担当。

　特に７６年のモントリオール大会では、優勝した女子バレーボールの決勝の実況で、金メダルを獲得した瞬間を「笑顔の優勝です」「泣かない優勝です」と、後世に語り継がれる名文句で表現した。

　また長年にわたりウインタースポーツの発展にも寄与。地域レベルから全国レベルの競技レベルに発展させることに貢献もした。

　９６年にＮＨＫを退職後も日本のスポーツ界で重責を担った。９８年の長野五輪では、五輪組織委員会広報専門委員会の委員を務め、大会施設の視察や大会エンブレムの選考などにも携わった。ほかにも９８年に開場した横浜国際総合競技場（現・日産スタジアム）の初代場長に就任。スポーツ評論などでも活動するなど、スポーツの発展に向けた活動を行っていた。

　長男は雑誌「ブルータス」編集長の西田善太（ぜんた）氏。