宝塚で異例の髭 轟悠がリンカーン再現

「For the people~リンカーン 自由を求めた男~」で熱演する轟悠(右)と柚香光=大阪・梅田芸術劇場
「For the people~リンカーン 自由を求めた男~」で熱演する轟悠=大阪・梅田芸術劇場
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 宝塚歌劇団専科の轟悠が主演の13日、「For the people~リンカーン 自由を求めた男~」が13日、大阪・梅田芸術劇場で初日を迎えた。誰もが知っているリンカーンのもみ上げから顎までつながったヒゲも忠実に再現。タカラヅカでは異例のヒゲ姿の主人公となった。

 ギリシャ彫刻とも言われる美貌の轟が、リンカーンを見事に再現した。ヒゲが特徴的な主人公と言えば、轟も演じたことがある「風と共に去りぬ」のレット・バトラーが挙げられる。

 1977年の初演当時、『脇役以外がヒゲをつけるとは!』という反対の声が多くあがるなど、物議を醸した。当時主演した榛名由梨がプライベートでもヒゲを付け、抵抗をなくして舞台に挑んだという逸話がある。それから約40年の時を経て、今回はそれを超えるヒゲを披露した。

 今回は轟が演じるリンカーンと息子をつなぐエピソードに髭が使われ、すれ違う父子の様子が描かれている。奴隷解放という、タカラヅカではあまりない社会的物語を軸に、妻と家族の愛を紡いだ作品になっている。

 轟も抑揚ある演技で、花組の若手を背中で引っ張り、異色作を見事に“タカラヅカらしい”作品に仕上げた。終演後は「立春を迎え、心なしか日差しには春の気配。1日1日、1公演1公演心を込めて演じてまいります」と挨拶した。

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