「全国高校ラグビー準々決勝　石見智翠館３３－８関西学院」（３日、花園ラグビー場）

　２５年連続２５度目出場の石見智翠館（島根）が関西学院（兵庫）を振り切り、初の４強入りを決めた。関西学院は５大会ぶりの４強入りを逃した。

　前半２７分、ＦＬ岡山仙治主将（３年）が負傷退場。チームを救ったのがスーパー２年生、ＷＴＢ仁熊秀斗だ。５－８とリードを許した後半１１分、ラックから出たボールを受けた仁熊が力強い走りで相手ＤＦを切り裂き、最後はＣＴＢ小幡将己（２年）が逆転のトライ。その後も攻撃のリズムを作り、２６－８とリードした後半３５分、個人技でダメを押した。

　自陣２２メートルで相手がノックオンしたボールを左足で蹴り出し快足を飛ばすと、今度は右足アウトサイドで蹴ってダッシュ。最後は右足を豪快に振り抜き、“ゴール”。ボールを自ら抑え、８０メートルのドリブルトライを決めた。

　「中学の時、サッカーをやっていたので、よみがえりましたね。あこがれは本田圭佑選手でした」と、試合後は会心の表情だった。

　同校初の４強に２トライを挙げた小幡とともに２年生コンビが貢献。「小幡とは３年生をベスト４に連れて行くと話していた」と、喜んだ。

　身体能力、タックル技術が高いことから花園入りしてからＤＦもこなすなど、獅子奮迅の活躍。安藤哲治監督は「自由にアタックさせている。へとへとと思うけど、頼れる男」と目を細めていた。