五輪組織委も会見で画像3点無断使用
2020年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムを白紙撤回した大会組織委員会が、撤回前の8月28日に佐野研二郎氏のデザイン盗用を否定した記者説明会で、他人の画像3点を無断で使用していたと11日、認めた。
うち1点については使用料金を払うことで事後承諾を得たが、残り2点については連絡を取っている最中とした。佐野氏が盗用疑惑に揺れる中、組織委員会までもが、他人の画像を権利者に無断で使用していたというお粗末な出来事となった。
話し合いができた1点については海外在住の権利者本人から指摘メールが昨日深夜にあった。11日の夕方に電話で話し合い、事後承諾を得た。残りの2点は無断使用のメールを受けた後、組織委がインターネット検索を用いて調査をした結果、無断使用が判明したが、権利者と連絡は取れていないという。
問題となったのは28日の会見で、過去の五輪でのエンブレム展開例を説明した時に用いられた8点の画像で、組織委のマーケティング局が作成した。4枚がロンドン五輪のもの、4枚がリオ五輪のものだった。3点が他人の物で、残り5点が組織委の職員が撮影したものや、リオ五輪の素材を正規に借りたものだった。
藤澤秀敏広報局長は「考えられないミス。なぜこんなミスが起こったのかは捜査中。組織委員会としてはご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っている」と謝罪した。
組織委員会は佐野氏が作成したエンブレムを白紙撤回した理由の一つに、エンブレムの活用例をインターネット上から無断転用して作成していたことを挙げていた。同様の行為を組織委もしていたことになる。だが、誰かが責任を取るべきではないか、という質問には藤澤広報局長は「それを含めて後ほど発表する」と返答するにとどめた。
残り2点についても使用料金を権利者に支払う方針だという。また、故意による無断使用については藤澤広報局長は「『誤り』という意味で、組織委員会としては故意ではないと認識している」と否定した。
