佐野氏「ショックでつらかった」一問一答

 2020年東京五輪の公式エンブレムがベルギーの劇場のロゴなどと似ていると指摘された問題で、大会組織委員会は5日、デザインしたアートディレクターで、盗用を否定している佐野研二郎氏(43)の記者会見を都内で開いた。この問題で佐野氏が会見するのは初。

 冒頭で佐野氏は「この度は、ベルギーのデザイナーの方から盗用ではないかとご指摘を受けたことについては大変驚いてはおりますが、全くの事実無根です。まずはじめに誓って申し上げますけど、今回のエンブレムはアートデザイナーとしてこれまでの知識、経験を集大成して考案した作品だと思っております。大変光栄なことで、このチャンスにブラッシュアップを何度も繰り返し、世界に類を見ないエンブレムができたと私自身、確信しました。力を出し切って真にオリジナルなものができたからこそ、自信を持って世の中に送り出せるものになったんだと思います」と語った。

 佐野氏はこの後、数種の書体ボードを代わり代わりに掲示しながら、ロゴのデザイン経緯を説明。東京オリンピックと同パラリンピックのロゴを並べた時に、対の関係になることなどを解説した。また、同五輪組織委員会からはこのデザインが20年まで形を変えたり、動画活用されたりする展開策が紹介された。

 以下は佐野氏に対する質疑応答の主な内容。

-自身が見てベルギーのデザインと似ていると思うか。また事前に確認していたか。

 佐野氏「ベルギーのロゴを見た時、デザインに対する考え方が全く違うので、正直全く似てないと思った。(チェックは)通常の仕事でも自分の周りや経験の範囲で調べるが、世界中の印刷物を調べるとか、過去に戻ってとかは不可能。今回は商標登録の許可を取ることを目的にそのOKが出ていたので、全く問題ないと思った」

 -この1週間はどういう気持ちで過ごしてきた。

 「ニューヨークの事務所で報道を見た。自分はデザイナーになって、オリンピックのエンブレムを作ることが夢だったので、非常に喜んでいたが、出張に行った矢先ですごいショックだった。正直つらいなあと思った。ベルギーには行ったこともないし、ロゴは1度も見たことがない。どうしてこうなってしまったのか。かなり不安な時間を過ごした」

 -ベルギーのデザイナーには。

 「(怒りは)あまりないが、びっくりした。この会見でポリシーをお伝えすれば、理解してもらえるのではと思いました」

 -デザインへの考え方が違うとは具体的に。

 「(考案初期の文字ボードを掲げ)TとTの文字を打つと最初にこうなる。シンプルにアルファベットを主軸にすると、どうしても類似したものが出てくる。私は力強さ繊細さをうまくキープした上で、どのように変化させていくかが重要なテーマだった。リュージュ劇場はTとLが主軸で文字だけ。こちらは正方形を9分割して真ん中に帯、端っこに円などがくっついている。もともとリュージュのデザインは見てないので自ずと考え方は違う。表層的に見ても全く違う」

 -ベルギー側はデザイン・サイトに載せていたと。

 「見ておりません。コンペに参加する時からものすごく名誉だった。デザインには自分の経験が詰まっている。(サイトを)参考にすることはないし、何日も徹夜してやりました」

 -オリジナリティーに問題は。

 「オリジナリティーの点では、私はすごく考えて作った。何ら損傷はない」

 -法的には。

 「実際になっていないので何ともいえないが、1デザイナーとして日本人として誇りを持っている。いろいろなものをクリアしているので、何ら損傷はない。2020年へ向けてより成長していければうれしい」

 -2020年へ日本全体が期待している中での事態に。

 「こういう事態になって非常に残念だし、寂しい。私の理念としてデザイン的にも何ら損傷はない。この1週間はちょっと落ち込むこともあったが、あらためてこれからも自信になった。何ら意思が揺らぐことはない」

 -過去の作品にも似ているものがあり、パクリなどと指摘されている。

 「そういう声があるとしたら、ものすごく残念。アートディレクター、デザイナーとして、ものをパクるということは一切ありません。どのデザインも非常に時間をかけている。非常に残念。もちろん、いろんなものに影響されることは必ずある。クリエーターとして(パクリは)絶対してはいないし、いけない。誇りは忘れないでいきたい」

 -スペインからは色合いが似ているとも。

 「スペインのデザインも報道を通じて知った。赤、金、銀、黒がスペインのオリジナルというが、より日本的な色だと思うし、私は全く似ているとは思わない。意外というか心外だった」

 -フェイスブック、ツイッターが閉じられた。

 「2つとも5月で退会。リンクが残っていたが、今は閉じた。仕事的にバタバタしていたので、1回距離を置いてみようと。『ミスターデザイン・ツイート』は乗っ取りに遭い、私や私の会社の人間ではない。ツイッター社に削除を申し出ている」

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