敦賀気比・平沼“プロ注右腕”対決制す

 「選抜高校野球・2回戦 敦賀気比2-1仙台育英」(27日、甲子園)

 2回戦3試合が行われ、昨夏ベスト4の敦賀気比が神宮大会覇者の仙台育英を振り切り、2季連続の8強進出を決めた。エース・平沼翔太投手(3年)は気迫の投球で5安打1失点と好投し、仙台育英の佐藤世那投手(3年)とのプロ注目右腕対決を制した。浦和学院は大曲工に逆転勝利し、準々決勝進出。静岡は木更津総合を下して50年ぶりの8強入りを果たした。

 強烈な対抗心が敦賀気比・平沼の心を、体を支えていた。打者をにらみつける目は、ゲームセットの瞬間まで力を失わなかった。「絶対に負けたくないと思っていたんで」。その強いハートがライバル・佐藤世との息詰まる投手戦を分けた。

 立ち上がりから相手の懐を攻めた。女房役の嘉門裕介捕手(3年)は「(仙台育英は)1回戦でも内角に詰まるシーンが多かった」と分析。直球で内角を突き、意識させたところで決め球のスライダーを外角に配して凡打の山を築いた。

 2点リードの九回は連打で1死一、三塁のピンチを招いた。それでも「最後まで攻め抜く」と平沼。瀬戸の二ゴロの間に1点を失ったが、最後の打者を内角スライダーで詰まらせて追撃を振り切った。

 「平沼を呼んで」。佐藤世のこの一言からすべては始まった。昨年11月の神宮大会で、同宿していた仙台育英のエースから呼び出された平沼。すると「絶対に負けない」と面と向かって宣言された。

 平沼の闘志は燃えた。佐藤世を倒すため、冬場は朝5時半に起きて練習を積んだ。一面雪景色、身も縮むような寒さの中、長靴を履き、来る日も来る日も室内練習場へ向かった。そして「あいつが同世代でNo.1やから負けへん!」と仲間に誓い、今大会に臨んだ。

 1回戦が始まる前には「絶対に倒す」とLINEでメッセージが送られてきたという。「楽しかったです」とライバルとの投げ合いを振り返った平沼。神宮大会王者を撃破した右腕の進撃は、まだまだ止まらない。

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