【クイーンC】キャットVで桜へ名乗り

 「デイリー杯クイーンC・G3」(14日、東京)

 またしても関東からニューヒロインが誕生した。2番人気キャットコインが、中団から力強く抜け出してV。1分34秒0のレースレコードでデビュー3連勝でのタイトル奪取に成功した。二ノ宮厩舎は2歳女王ショウナンアデラと強力ツートップで、牝馬クラシックに挑む。後方から追い込んだ3番人気ミッキークイーンが2着。阪神JFのリベンジを狙った1番人気ロカはたたき合いに敗れて3着に終わった。

 府中のターフを鋭く切り裂いた。道中7~8番手から運んだキャットコインが、5日に急死した父ステイゴールド譲りの決め手をフルに発揮してV。04年のダイワエルシエーロを0秒3上回るレースレコードでの無傷3連勝にも「意外と楽に先頭に立ちましたね」と柴田善は涼しい顔だ。

 1~4着がいずれも首差の大接戦。だが、いち早く抜け出して後続を封じた内容は着差以上の強さを思わせた。「ひ弱でドンと来いという感じではなかったけど。返し馬で落ち着きが出てきたよね」。懸念材料としていた馬体減りもなく、この日は前走比プラス4キロで出走ができた。心身で成長の跡を実感し、主戦はうなずく。

 以前は鎮静剤を打ちながら蹄鉄を行っていたやんちゃ娘。「今は普通に打てるようになった」と二ノ宮師が語るように、確実に階段を上りつつある。一方、「まだ前日輸送の経験がない。間違いなく馬体は減りそう」と全幅の信頼を置くには至っていない。今後は関西圏でトライアルに出走してそのまま栗東滞在、もしくは直行で桜花賞(4月12日・阪神、芝1600メートル)へ向かう2つのプランを描く。

 ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、ゴールドシップ、レッドリヴェール…新馬戦からデビュー2連勝を決めたステイゴールド産駒は、全てG1馬に出世しているという、心強いデータもある。僚馬の2歳女王ショウナンアデラ、きさらぎ賞で牡馬を蹴散らして完勝したルージュバック。関東が放つ“第3の矢”は、じっくりと戦略を練り上げて仁川の舞台に立つ。

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