【JC】オンリー 真価見せる

 「ジャパンC・G1」(30日、東京)

 第81代ダービー馬の誇りにかけて負けられない。ワンアンドオンリーが、強豪古馬との初対戦に向けて着々と準備を整えつつある。「今回は胸を借りる立場。どんな競馬をするか楽しみ」。変則日程で全休日となった25日朝、担当の甲斐助手は期待を膨らませた。

 2冠奪取をもくろみ、1番人気に推された菊花賞はまさかの9着大敗。外枠(7枠15番)が災いして壁がつくれず、終始力んだまま走らされたのは痛かったが、敗因はレース外にもあったようだ。「昼前からヘリコプターが(競馬場の上空を)旋回していて、馬が驚いていた。それでテンションが高くなったのかも」と唇をかむ。

 しかしながら、力を出し切れずに終わった分、レース後のダメージは少なかったようだ。「いつもは競馬後にシュンとして、スカッと見せ過ぎるぐらいになってしまうが、今回はそれがなかった。カイバ食いは変わらずいいし、体は増えている。今週の追い切りもビシッとやる予定です」と反撃に力を込めた。

 3歳世代7123頭の頂点に立った府中の2400メートル戦。歓喜を味わった舞台で再び真価を発揮したい。「仕切り直しという思いが強いです。とはいえ、変わったことはせず、いつも通りの調整をしてきました。今回は人気が落ちるし、目標にされることもない。そういう意味では気楽な立場」と仕上げ人は意欲をのぞかせた。3歳時にジャパンCを制したダービー馬は01年ジャングルポケット1頭のみ。豪華メンバーを蹴散らし、史上2頭目の戴冠を成し遂げる。

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