南アフリカのマンデラ元大統領が死去
南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)撤廃闘争を率いた同国初の黒人大統領でノーベル平和賞受賞者ネルソン・マンデラ元大統領が5日午後8時50分(日本時間6日午前3時50分)ごろ、ヨハネスブルクの自宅で死去した。95歳。長く肺感染症を患っていた。
旧白人政権の弾圧でマンデラ氏は27年半の刑務所生活を強いられたが、不屈の闘志で獄中から闘争を率いた。アパルトヘイト撤廃後も黒人の白人への報復に反対、平和的な政権移行を主導した。
多人種共存の「レインボー・ネーション(虹の国)」を追求。国民的英雄としてだけでなく、人種融和の象徴、「反差別」の希望として世界中から尊敬を集めた。
オバマ米大統領は「勇気のある人物を失った」との声明を発表。キャメロン英首相も「大きな灯が消えた」と語った。ミャンマーの最大野党党首アウン・サン・スー・チー氏やチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世らが弔意を表明した。
マンデラ氏は99年に政界を引退。その後はエイズや貧困に苦しむアフリカへの支援を訴え続けた。
ここ数年は入退院を繰り返していた。公の場に姿を見せたのは、2010年7月にサッカーW杯南ア大会閉幕式に出席したのが最後となった。
