海老蔵 感無量「父が生きていたら…」

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(35)が主演を務めた映画「利休にたずねよ」が2日(日本時間3日)、カナダで開催された「第37回モントリオール世界映画祭」で、最優秀芸術貢献賞を受賞した。日本映画が同賞に輝くのは23年ぶり。海老蔵は歌舞伎公演のため、現地での授賞式に出席できなかったが、都内で会見し「賞に『芸術』という言葉があるように、日本の文化の美しさが海外で評価されたのがうれしかった」と喜びを語った。          

 古典芸能の伝承者が醸し出す“日本古来の伝統美”が、世界の大舞台で認められた。

 現地入りした共演の中谷美紀(37)からは、事前に「何で行かないの?トンボ帰りしたら?」と映画祭参加を猛プッシュされたという海老蔵だが、本業の歌舞伎を優先。終演後に会見して、「光栄なこと。監督やスタッフの皆さんの力があって、とれたと思います。僕はお役をちょうだいして、務めただけ」と謙虚に吉報の喜びをかみしめた。

 ワールドコンペティション部門に出品された同作は、直木賞を受賞した山本兼一氏(57)の同名小説が原作。海老蔵演じる茶人・千利休の美意識の原点が描かれ、海老蔵にとっては、今年2月に他界した父・市川團十郎さん(享年66)との最初で最後の親子共演映画に。

 「父との思い出の作品が残ってるだけでもありがたいのに、海外の方から評価され、父が生きてたら、喜んでたと思います」と天国に思いをはせ、しんみり。団十郎さんが亡くなる2カ月前に撮影された共演シーンを「父とのやりとりは忘れられないし、勉強になりました」と振り返った。

 同映画祭は北米最大規模で、1989年に「利休」(主演・三國連太郎)、90年に「式部物語」(主演・奥田瑛二)が最優秀芸術貢献賞を受賞。日本映画界にとって23年ぶり、3作目の快挙の立役者となった海老蔵は「今後も歌舞伎が中心ですけど他の世界でも勉強して、(映画も)若いうちはやっていこうかと。いろんな分野の方の技術、魂、心のあり方を見るのは勉強になりますから」と銀幕への情熱を燃やしていた。

 公開は12月7日。

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