伯桜鵬 秋場所全休へ 左肩手術で復帰メド未定 九州場所も厳しい状況「限界だった」
「大相撲秋場所」(10日初日、両国国技館)
幕内伯桜鵬(20)=宮城野=が8月31日に都内で左肩を手術していたことが4日、わかった。師匠で元横綱白鵬の宮城野親方(38)と本人が、都内の同部屋の稽古後に取材に応じ、明らかにした。秋場所は全休する意向。十両への陥落が必至の九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)も休場すれば幕下に転落する可能性が高いが、治療を優先して復活を図る考えを示した。
“令和の怪物”が決断を下した。夏巡業を左肩関節亜脱臼のため休場していた伯桜鵬が、手術に踏み切った。左手をつった姿で「正直、肩の状態は限界だった」と明かした。もともと両肩の関節が小さくて弱く、右肩は入門前に手術。左肩は5月に痛めたという。
昭和以降最速の所要1場所で新十両となり、同最速タイの3場所で新入幕。ただ、その裏で「あまりにも早く(番付が)上がって、いろんな方から注目されて。左肩は限界だったけど、注目されるところから落ちるのが怖かった」と、葛藤と戦っていた。
それでも、地元・鳥取でのリハビリ中に家族や恩師らと会い、自ら夢や目標を再確認。「幕内にいることが目標じゃない。夢をかなえるための最善の選択をしよう」と決めた。
宮城野親方は秋場所の全休を明言。まな弟子は名古屋場所で千秋楽まで優勝争いをしただけに「師匠として申し訳ない。みなさまに期待していただいたのに残念」と話しつつ「『ケガの功名』ということわざもある。万全にして戻った時には温かく応援してほしい」と願いを込めた。
肩関節の手術では、復帰まで約半年を要するのが一般的で、九州場所の出場も厳しい状況。幕下転落の可能性は高い。復帰のメドを「わからない」とした伯桜鵬。「どこまで落ちてもいい。今より強くなって復帰しようと思っている。焦る気持ちもない。復活して、また上がっていくしかない」と強い覚悟を口にした。


