広島・新井監督 2位消滅…20日にもBクラス確定 大瀬良が岡本に2被弾、山崎にも適時打2本に将「本人も思うところある」
「巨人5-4広島」(19日、東京ドーム)
広島が3位・巨人に逆転負けを喫し、3連敗でCS圏内まで7ゲーム差に広げられた。先発・大瀬良大地投手(34)が岡本に2被弾し、投手の山崎には2本の適時打を許すなど6回5失点と誤算だった。2位の可能性が消滅し、20日の同戦で引き分け以下ならBクラスが確定する。崖っぷちまで追い込まれた新井貴浩監督(48)は現状を受け止め、残り試合に目を向けた。
オレンジ色のタオルが揺れる敵地のマウンドで、大瀬良は表情をゆがめた。順位争いが大詰めに差しかかった時期に悪夢のような背信投球。防げたはずの失点がチーム全体に重く響き「こんなピッチングをしていたらチームにもファンにも、みんなに申し訳ない」と悔しさをにじませた。
初回に2点の援護をもらいながら、耐えることができない。二回、先頭の岡本に左越えソロ。体勢を崩したものの、白球はフェンスを越えた。続く四回も先頭で岡本を迎えると、今度は左中間席へ同点弾を献上した。
最も警戒すべき相手主砲の長打力に屈し、流れを明け渡す展開。「もちろん高さやコースを意識して勝負していたけど、打たれている球は中に入ってしまっている。力不足かなと思う」と硬い表情を崩すことなく振り返った。
同点で食い止めたかったが、なおも2死一、二塁のピンチを背負った。ここで投手の山崎に右翼線へ勝ち越しの適時二塁打を許す。1点ビハインドの六回2死二、三塁でも、再び山崎に2点適時二塁打。右翼フェンス直撃の痛打を浴び、左翼席のカープファンは沈黙するしかなかった。
投手に、いずれも初球を捉えられ2打席連続の適時打。不用意な投球で勝利の女神を自ら遠ざけ「きっちり投げ切ることができなかった。何とか抑えたかったですけど…」と言葉を絞り出した。
新井監督も「岡本の(本塁打)2本は置いといて、ピッチャーに2本のタイムリー。そこはやっぱり、本人も思うところはあると思います」。言葉のトーン自体はソフトだったが表情は険しかった。結局、大瀬良は6回10安打5失点で9敗目。東京ドームでは2018年4月15日の勝利以降、13戦勝ちなし(6敗)で、負の流れに終止符を打つことはできなかった。
チームも3連敗で、シーズン2位の可能性が消滅。20日の巨人戦で引き分け以下ならBクラスが確定する。CS進出は極めて厳しい状況だが、死力を尽くして戦っていく使命がある。
20日は今季の東京ドーム最終戦。新井監督は「今日もたくさん応援しに来ていただいているので、明日はいい試合を見せられるように頑張ります」と努めて前を向いた。ナインの力を結集させて、土俵際で踏みとどまりたい。
◆広島がAクラス崖っぷち 広島は20日・巨人戦に引き分けか敗れると2年連続Bクラスが確定してしまう。既にリーグ優勝した阪神とDeNAがCS確定。残り1チームを巨人と争うが、広島は20日に引き分けて、残り7試合全勝だと65勝72敗6分けで勝率.4744。一方の巨人は21日・DeNA戦以降の7戦全敗でも66勝73敗4分け、勝率.4748となり、広島は巨人を上回れない。




