広島・小園 驚異4戦連続初回先制打!9点大勝4位浮上 逆転CSへ「勝つしかないので。ひたすら打って」“3冠”も見えた
「広島9-0中日」(12日、マツダスタジアム)
頼もしすぎる!広島・小園海斗内野手(25)が初回に先制の右前適時打マーク。4試合連続で初回に先制打を記録する絶好調ぶりを示した。2安打1四球で、リーグトップの打率・305、148安打に加えて、出塁率・358も僅差の2位。“3冠”の可能性も見えてきた。チームは9月2年ぶりの連勝で4位に再浮上。逆転でのCS進出へ、望みをつないだ。
赤ヘル打線の猛攻を告げる鐘は、いつもこの男のバットから鳴り響く。小園が白球を外野へ運ぶと、マツダスタジアムは大歓声に包まれた。「転がせば1点入るぐらいで(打席に)入った。そんなにキツくはなかったですね」。1週間ぶりの本拠地での一戦で、初回からチームを波に乗せた。
1死三塁で柳と対峙(たいじ)。内野が定位置を守る状況で、1ボールからスライダーを右前にはじき返し、先制点をもたらした。これで驚異の4戦連続で初回に先制打をマーク。「毎打席が大事なので」と序盤から高い集中力を発揮している。
三回無死二塁は遊撃内野安打、五回無死は四球を選んだ。打率・305に加え、148安打でもリーグ単独トップに浮上。出塁率も1位の巨人・泉口(・359)に迫る同2位の・358とした。お立ち台でタイトルについて問われると、「そっと見守ってほしいなと思う」と苦笑い。それでも鯉党から起こった拍手が期待を表していた。
地道な取り組みが好調につながっている。マツダスタジアムでの試合前。午後2時の練習開始に先立ち、午後1時半ごろには右翼付近に姿を現し、パーカにフードをかぶったまま、黙々と短距離ダッシュを繰り返す。「日焼けしないためにですよ」と笑うが、その格好は見ているこちらが汗を拭いたくなるほどだ。
その背景にはルーキー時代から心に残っている言葉がある。「『足が動かなくなったら終わり』っていうのは頭にあるので。まだ若いですけど、今のうちから走っておかないといけないのかなと思います」。淡々と繰り返すルーティンが活躍の土台となっている。
新井監督も3番打者の頼もしい働きぶりに「良い集中力で取り組んでいる」と満面の笑み。好調の要因を「メンタルの波が徐々に小さくなっているのかな」と分析しつつ「ただまだ成長途中。もっと上にいってほしい」とさらなる飛躍に期待を寄せた。
チームは4位に再浮上。残り14試合で5ゲーム差の3位・DeNAを追いかけていく。逆転でのCS進出へ「勝つしかないので。ひたすら打って今日みたいな試合を増やしたい。みんな状態はいい。変わらずやってこうかなと思います」と力を込めた小園。逆襲への旗振り役を背番号5が担う。





