広島・遠藤 新フォームで制球力向上&再昇格へ“投げ急がない”キャッチボールから意識徹底
広島・遠藤淳志投手(26)が1軍再昇格に向けて自分自身と向き合っている。今季は7月初旬に初昇格。先発した8月3日・中日戦で2年ぶりの白星を手にしたが、同17日のヤクルト戦は四回途中10安打6失点でKOされた。1軍首脳陣からは直球の制球力向上を求められ“投げ急がない”フォームの意識付けを徹底。再昇格へ、ひたむきに汗を流していく。
前向きな気持ちを失うことなく、さらなる高みを目指している。遠藤は現状の取り組みに「真っすぐの制球力ですね。1軍の試合は空振りもファウルも取れていた。だけど、もう一つレベルアップするためには、低めに集められるようになるのがベスト。今はそれに取り組んでいます」と明かした。
今季は7月9日に1軍初昇格。同日の阪神戦でリリーフ登板し、1回を無失点に封じた。中継ぎ登板を重ね、8月3日の中日戦では今季初先発。6回1失点で2年ぶりの白星を挙げた。続く17日・ヤクルト戦は3回1/3を10安打6失点でKO。翌18日に出場選手登録を抹消された。
2軍降格に際し、1軍首脳陣からは背中を押してもらった。「藤井ヘッドには『真っすぐで勝負してほしい』と言ってもらいました。変化球の精度とかじゃなく、まずは真っすぐの精度を上げてほしいと」と直球のレベルアップを求められた。
昨季はシーズンを通して最速は143キロだったが、今季は7月12日の中日戦で149キロを計測。「ちょっとインステップにして、体の開きを抑えながら投げていく」というフォーム変更が好転。首脳陣に昨季との変わり身は披露できた。だからこそ、それをフルに生かすための制球力習得が次のテーマになる。
1軍登板を自分なりに分析し、「いい時は左足が(地面に)着地した時に上半身がまだ残っている状態で投げられていた。どうしても悪くなったら投げ急いで体が(打者方向に)向くのが早くなっていた」と改善点は明確だ。「自分の投げるフォームのリズムが速くならないように、キャッチボールの中でも意識している」。“投げ急がない”ことに留意し、制球力向上に注力している。
8月27日のウエスタン・オリックス戦(由宇)では2軍降格後、初先発に臨んだ。初回に1点を失うも、二回以降は粘って6回8安打1失点。三振も6個奪い、再昇格に向けてアピールした。
「自分の中でも1軍で勝てたのはすごく自信になりましたし、やってきたことは間違いじゃなかったなと感じた。良かったことは変えず、プラスアルファで新しい課題に取り組めれば、さらにレベルアップできるんじゃないかなと思う」と意気込んだ遠藤。再び1軍の戦力となるために、向上心を燃やし続けていく。
◇遠藤 淳志(えんどう・あつし)1999年4月8日生まれ、26歳。茨城県土浦市出身。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。投手。霞ケ浦高から2017年度ドラフト5位で広島に入団。19年8月21日・ヤクルト戦に救援登板し、1回無失点でプロ初勝利。20年には自己最多の5勝をマークした。1軍通算成績は93試合の登板で12勝21敗1セーブ、6ホールド、防御率 3.90(2日現在)。





