広島・小園 首位打者浮上!マルチで打率・292「結果で返せるように」 7月2度目の5連敗で今季ワースト借金9も奮闘
「広島5-6巨人」(27日、マツダスタジアム)
またもマツダスタジアムにため息が響いた。広島は7月2度目の5連敗。小園海斗内野手(25)が五回の適時打を含むマルチ安打で打率・292とし、リーグ首位打者に浮上する奮闘を見せたが、1点差で敗れた。チームは今季ワーストの借金9。29日からは首位・阪神と甲子園で3連戦。悪い流れを止めてくれ…。
真夏のナイターで、巧みなバットコントロールが光った。乾いた打球音を響かせ、小園が奮闘。チームが連敗脱出を逃した中、ファイティングポーズを貫き通した。
五回に見せ場が訪れた。無死からの4連打で2点差に迫り、なおも無死三塁。「外野フライでもいいので、何とか1点取ろうという感じでした」と追い込まれながらバットに当てた打球は、前進守備を敷いた吉川の頭上を高いバウンドで越えて中前に抜けていった。
2試合ぶりの打点で追い上げムードを高めると、七回1死も左腕・中川から左前打。3球で追い込まれたが、そこからは5球連続ファウルと粘り腰を発揮した。最後はカウント2-2から10球目の149キロを捉えた。
試合前時点で打率はリーグ2位の・2903。この日の複数安打で・292にまで上昇させ、中日の岡林を抜いてリーグ首位打者に躍り出た。ただ、天性の打撃センスを誇る若鯉は「状態は悪いので、アレぐらいしかできない」と現状を本調子だとは捉えていない。
小園の真骨頂は力強く引っ張った打球。右方向への安打は16日・DeNA戦の4打席目を最後から遠ざかっている。「引っ張った打球が、僕の持ち味。ここ最近は出ていない。引っ張りにいくのは良くないんですけど」と、スッキリしない思いを吐露した。それでも7月の月間打率・308と好調。自慢のバットで打線をけん引している。
この日の試合前練習が始まる前には、グラウンドで新井監督と約10分間、会話する場面があった。
「『チーム状態が悪いので、引っ張っていってくれよ』と言ってもらいました。そういう立場だと思っていますし、やらないといけないので。期待してもらっているので結果で返せるように」と使命感を増幅させた。苦しい試合が続いてもレギュラーとして、仲間を鼓舞していく。
チームは後半戦最初のカードで連敗スタートとなり、球宴前から5連敗となった。ただ下を向いている暇はない。29日からは敵地・甲子園に乗り込んで首位を快走する阪神との3連戦が待つ。「やることは変わらないですし、塁に出て、つないでいけたら」と小園。上位進出へ、カープの先頭に立って猛虎に挑む。





