広島 気になる坂倉の途中交代と小園の送りバント「メンタルケアが必要かもしれない」と岡義朗氏

 「ヤクルト8-7広島」(20日、神宮球場)

 打ち合いの末、ヤクルトが競り勝った。広島は先手を取りながら投手陣が崩れて逆転負け。借金が今季最多の6となった。点を取ったら取られる。いつもとは逆の試合展開に投打のかみ合わせの悪さを露呈したが、デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「メンタルケアが必要と思われるケースがあった」と語り、2つの心配材料を示した。

 点を取ったらすぐに取り返される。ゲーム運びとしては一番悪いパターンだった。広島にしてはいつになく快調な滑り出しで初回に3点を先取したのに、今度は投手陣が守り切れない。どうも投打がかみ合わない試合が続くね。

 (試合は広島が初回、野間と坂倉の連続適時打など4安打を集めて3点を先制した。ヤクルトはその裏オスナの3ランで同点。二回に広島が羽月の中前適時打で再び勝ち越したが、その裏ヤクルトが3点を奪って逆転。その後は点の奪い合いとなったが、ヤクルトは八回、オスナの放った左越え適時二塁打が貴重な追加点となった)

 その中でまず気になったのは坂倉の交代。三回の打席を終えたところでベンチに下がった。本人が体調不良でも訴えたのか。あるいはリード面に対する首脳陣の不満の表れなのか。

 その後、ベンチで戦況を見守る本人の様子からは故障とは考えづらく、やや不自然な交代に映った。

 ボールが浮くなど、制球が不十分な玉村の不出来を捕手としてカバーできていなかったのは確かだろう。苦しんでいる投手を立ち直らせる配球を考えるのも捕手の仕事だからだ。

 ただ、結果として五回のチャンスに回るはずの打席に坂倉が立てなかったのは残念。攻撃面で言うと、これは痛かった。

 もうひとつ気になるシーンがあった。それは七回の攻撃。無死一塁という状況で小園が送りバントを決めた。結果、ファビアンと野間が倒れて得点にはつながらなかったが、ここで心配するのは小園の心の内だ。

 これは私の勝手な推測だが、小園はチームで最も打率が高い3番打者。「俺にバント?」と思ったのではないか。

 6-7で1点をリードされてはいたが、ここは追いつくことよりも追い越すことに期待する場面ではないのか。だから任せてほしかった-と。

 小園がそう思っても決して不思議ではないと思う。そういうことを考えると、コーチを通してのケアが必要になってくるかもしれない。

 坂倉は故障による交代でないとするなら、こちらも同様。交代相手が会沢なら本人も文句言えんでしょう。それが石原というところに“なんでやねん”という思いがくすぶってもおかしくない。

 交流戦後はまるで昨年の9月のような重苦しいムードになっている。

 この日は点を取り合った末、1点差に泣いた。大盛や羽月、林、二俣らが活躍したのは明るい材料だが、僅差負けが続くだけにチーム全体の疲労感は強いはず。鬱憤もたまっているに違いない。だからこそメンタルケアは必要だと思う。

 球宴後へ向けての巻き返しを考えても、ここが踏ん張りどころ。投打、そしてベンチとの信頼関係を保つ意味でも選手へのフォローを大切にしてほしいね。

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