【安仁屋宗八氏の眼】広島の前半戦を総括 苦戦の原因は焦り いま一度自分たちの野球を見つめ直して

 カープOBでデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(80)が23日、広島の前半戦を総括した。88試合を戦って38勝45敗5分けの借金7で、首位・阪神とは12・5ゲーム差の5位。残り55試合での逆襲を目指すチームへ提言し、26日・巨人戦(マツダ)から再開する後半戦での巻き返しに期待を寄せた。

 前半戦最終戦の21日・ヤクルト戦(神宮)の逆転サヨナラ負け(※1)は、前半戦を象徴するような試合になってしまったね。投手陣と野手陣がかみ合っていない。首位・阪神まで12・5ゲーム差となかなか厳しい状況だけど、ファンや球団OBは諦めず応援していることは忘れないでほしい。最後まで戦う姿勢を見せてほしいよね。

 前半戦は借金7。特に7月はここまで3勝12敗3分けと思うような戦いができていないね。苦戦の原因は焦りだと思う。7月は18試合中14試合で先制点を奪われている。やっぱり主導権を握られると、野手は取り返そうと力むし、投手はこれ以上点を取られたらダメだとなる。これが悪循環になってしまっている。まずは先制点を取ることが大事。いま一度、自分たちの野球を見つめ直してほしいね。

 その中でも若手の台頭はうれしい。大盛や中村奨、最近は林や二俣も結果を残している。特に羽月は良い働きをしていると思う。スタメンで出始めてから高い出塁率(・451)をキープしている。足が使えるし、後半戦もこの調子で頑張ってほしいね。

 26日の巨人戦からは後半戦が始まる。あと55試合をどう戦っていくか。まずは大瀬良、床田、森下の3本柱が投げる試合は絶対に落とせないね。この3人は防御率(※2)を見ても、前半戦はよく投げたと思う。後半戦は全部勝つ勢いで最後まで頑張ってほしい。

 打線はやっぱり、モンテロとファビアンの2人がキーマンになるだろうね。ファビアンは状態を落としている時期もあったけど、21日のヤクルト戦では2安打2打点。凡打の内容も良かったし、心配ないと思う。モンテロもようやく角度が出てきた。ここから長打も増えてくるんじゃないかな。この2人が打てば打線がつながるし、得点も増えてくると思うよ。

 最後は新井監督。まだ優勝の可能性はゼロではない。来季以降の戦いも見据えながら、若手とベテランを融合させて最善を尽くしてほしいね。

 悪い流れが続いているけど、後半戦からは断ち切って。また一からスタートだよ。まずは目の前の一戦を勝ちにいくこと。チーム一丸となって、最後まで戦う姿を見せてほしいね。

 ※1…7月21日・ヤクルト戦(神宮)。6-4の九回から登板したハーンが2死一、三塁とし、赤羽に左翼ポール直撃の逆転サヨナラ3ランを被弾。最下位を相手に同一カード3連敗となった。

 ※2…大瀬良は4勝5敗で防御率2・93、床田は7勝7敗で防御率2・19、森下は5勝10敗で防御率2・27。

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