広島・森浦 ド派手!球宴デビュー 藤原&頓宮&レイエス斬り 魔球チェンジアップでオール空振り三振

 「マイナビオールスターゲーム2025・第1戦、全パ5-1全セ」(23日、京セラドーム大阪)

 「マイナビオールスターゲーム2025」の第1戦が行われ、監督選抜で初出場した広島・森浦大輔投手(27)が1回1安打無失点、全て空振りで3三振を奪った。オリックス・頓宮、日本ハム・レイエスら、強打者たちを自慢のチェンジアップで翻弄(ほんろう)。真夏の祭典で大きな収穫を得た。

 宝刀の威力が、さく裂した。表情を変えることなく、ひょうひょうと腕を振る姿は普段と変わらない。森浦が初めて立った夢舞台で好投を披露。「シーズンとは違った緊張感があった。オールスターならではの緊張感を感じられて良かったです」と終始笑顔で汗を拭った。

 3点ビハインドの五回に登板すると、球場全体の視線を集めた。先頭の藤原を直球2球で追い込むと、3球目にチェンジアップを投じてバットに空を切らせた。続く頓宮には2-2から同じ変化球で空振り三振。前打席で3ランを放ち、第1戦のMVPに輝くスラッガーを手玉に取り、スタンドを沸かせた。

 2死から村林に左前打を許したが、パ・リーグ本塁打王(20本)のレイエスもチェンジアップで空振り三振。「今回は三振を狙いにいきました。3者連続(三振)だったら良かったけど、打たれちゃったので少し残念です」と本音ものぞかせたが、この日登板した全投手で最多の3奪三振。異なるリーグの長距離砲を遅球できりきり舞いさせ、野球ファンに大きなインパクトを与えた。

 初めて味わうオールスターは、全てが刺激的な時間になった。試合前には同学年の阪神・村上と談笑。右腕は智弁学園出身、自身は天理出身で、同じ奈良県の高校を経てプロ入りを果たした共通点がある。「野球の技術的なことより、お互いのチームの感じを話しました」と左腕。「(村上は)24日に投げると思うので、しっかり見て学べたらなと思います」と貪欲に吸収していく構えだ。

 阪神・藤川監督とも初めて言葉を交わし「『ケガしないようにシーズン後半も頑張ってね』と声をかけてもらいました」と背中を押された。

 今季はここまでチームトップの39試合に登板して2勝2敗、防御率1・29の好成績をマーク。8日には第1子となる長男が誕生し、真剣勝負の場で腕を振る理由がまた一つ増えた。「前半戦と同じで、継続してやっていくだけだと思う。自分の投げるところでしっかり抑えて、勝ちに貢献したいと思っています」と森浦。首位・阪神とは12・5ゲーム差の5位と厳しい状況だが、上位進出へ魔球・チェンジアップを駆使してブルペン陣をけん引する。

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