広島・田村 1軍再昇格へすり足打法で長打力に磨き 目線のブレ抑える「『あ、変わったな』と思ってもらえるように」
広島・田村俊介外野手(21)が1軍再昇格を見据え、打力向上に注力している。今季は開幕1軍入りするも、5月12日に出場選手登録を抹消。ただ、4月にはプロ初本塁打をサヨナラ弾で飾るなど爪痕を残した試合もあった。現在は右足を高く上げず、すり足でタイミングを取る打法の習熟度を高めている若鯉。長打力にも磨きをかけ、アピールを続ける。
進むべき方向性は、明確に見えている。2軍で汗を流す田村は「タイミングを早く取って、なるべく早く打ちにいける体勢を作りたいなと。それだけ考えています」と打撃面でフォーカスしている部分を明かした。
昨年までは右足を上げて始動。今季もその形で打っていた期間もあったが、現在はすり足に変更した。その経緯を本人が明かす。「やっぱり足を上げて打つと、どうしても目線のブレが大きくなってしまう。ブレると、変化球の曲がり幅も自分から大きくしてしまっている部分がある」と分析した。
その点、すり足なら目線のブレは抑えられる。「すり足を始めてから(ボールの)見え方的にはいい感じ」と良化を実感する。「あとはタイミングを早くしたり、遅くしたり。少し差されたり(体が)前に出されたりする時があるので、そこに対応できるスイング軌道などを求めて練習したい」と次の課題に向けて試行錯誤を続けていく。
新井2軍打撃コーチは田村について「だいぶ良くなってきているし、打つ姿勢も良くなってきている」と上昇気配を感じている。その上で「彼はいろいろ考えちゃうからね、“枝葉”の部分を。だから、もう少し“幹”を大事にって。いい姿勢で構えて早くタイミングを取るということは口酸っぱく言っている」とチェック項目を明かした。
2軍では33試合に出場して打率・235、1本塁打、12打点(14日時点)。1日のウエスタン・中日戦は五回1死で土生の144キロ直球を力強く捉え、左翼ポール際に1号ソロを突き刺した。12日のソフトバンク戦では、二回1死一、二塁の好機で又吉から右翼に2点適時二塁打。1軍実績が豊富な相手右腕から快音を響かせ、アピールに成功した。
1軍では4月5日・DeNA戦でプロ初本塁打をサヨナラ弾で記録。その後は継続して結果を出していたが、レギュラー定着はならなかった。
1軍では69打席で長打は2本。粘り強い打撃と並行し「一番は、長打というところを求めてやっていきたい」と豪快さも習得して“変わり身”を示す構えだ。「次(1軍に)上がった時に『あ、変わったな』と思ってもらえるように」と闘志を燃やした田村。さらなる高みを目指して、自身の打撃を突き詰めていく。
◆田村俊介(たむら・しゅんすけ) 2003年8月25日生まれ、21歳。京都府出身。178センチ、97キロ。愛工大名電から21年度ドラフト4位で広島入団。プロ初出場は23年3月31日・ヤクルト戦。昨季は37試合で打率・198、5打点。昨年3月には欧州代表との侍ジャパン強化試合に招集され、経験を積んだ。





