広島劇的G3連倒 小園プロ初満塁弾で逆転「気持ちよかったです」無敗・山崎に土つけた 大好きな祖父の死「一人でいっぱい泣いた」

 6回、逆転満塁弾を放ち、人さし指を突き上げる小園(撮影・市尻達拡)
 小園(5)を興奮した表情で迎える新井監督(撮影・市尻達拡)
 6回、右越え満塁本塁打を放つ小園
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 「広島5-1巨人」(15日、マツダスタジアム)

 マツダスタジアムが熱狂の渦に包まれた。広島の小園海斗内野手(24)が1点を追う六回に逆転の決勝2号満塁本塁打。592日ぶりの本拠地弾は自身初で、今季のセ・リーグ初のグランドスラムとなった。巨人戦は今季2度目の同一カード3連勝で、マツダスタジアムでは開幕から6戦6勝。勢いに乗って16日からは甲子園に乗り込み、0・5差に迫った阪神との首位攻防3連戦に臨む。

 小園が人さし指を天に突き刺し、ダイヤモンドを回る。迷いのない強いスイングで振り抜いた打球が右翼席に飛び込むと、鯉党の大歓声は背番号5に注がれた。プロ初の満塁弾はチームを逆転勝利に導く、最高の一撃。「久しぶりにマツダスタジアムでホームランを打ったので気持ちよかったです」とお立ち台で余韻に浸った。

 1点を追う六回に大仕事をやってのけた。1死満塁で打席へ。開幕から無傷の5連勝中の山崎に対し、カウント1-2から内角高めのスライダーを一閃(いっせん)。打球は高々と舞い上がり、右翼席に着弾した。ホームイン後は、跳びはねながらベンチ前で待ち受けていた仲間とハイタッチ。「なんかいっぱい声かけてもらいました」と興奮気味に振り返った。

 今春のオープン戦。早いカウントから当てにいくようなスイングを続け、朝山打撃コーチから厳しく指導された。「あいつは三振を嫌がるタイプ。バットに当てる技術はもうこっちも認めているから、とにかく強く振れと。結果が出なくてもいいから当てにいくなと怒った」。ワンランク上の打者に成長してほしい。その思いから厳しい言葉を投げかけた。この日、放った劇的な一発は追い込まれながらも、内角高めを強引に振り抜いたもの。取り組みが実を結びつつある。

 辛い出来事を乗り越えての一打だった。13日に父方の祖父・義光さんが天国へ。幼少期には何度も甲子園に連れて行ってもらい、野球を始めるきっかけを作ってくれた大好きな祖父だった。通夜には足を運べなかったが、16日の葬式には参列する予定。「おととい一人でいっぱい泣いたので。『頑張れ』とずっと言ってもらっていたので良かったです」とほっとした表情を浮かべた。

 チームは18年の9連勝以来となる本拠地での巨人戦で開幕から6連勝。敗れた首位・阪神に0・5ゲーム差に迫り、16日から甲子園で首位攻防戦に臨む。「情けない姿もあったけど、絶対やり返す気持ちは忘れていなかった。(16日からの阪神戦も)絶対勝ちます。応援よろしくお願いします」とヒーローインタビューを締めくくった。頼もしい若鯉が力強くチームを引っ張っていく。

 ◆マツダ巨人戦開幕6戦6勝! 広島は今季マツダでの巨人戦開幕6戦6勝に。開幕9戦9勝した2018年以来、約7年ぶり。

 ◆小園がプロ初満塁弾! 小園の満塁本塁打はプロ初で今季セ・リーグ1号。また、チームの満塁本塁打は2023年8月27日・ヤクルト戦での末包以来、約2年ぶり。また、小園がマツダで本塁打を記録したのは2023年10月1日・阪神戦以来、592日ぶり。

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