広島・坂倉 右肘手術後初の実戦で打った守った!開幕マスクへまた前進 「結果は付録」も新井監督「問題ない」
「オープン戦、巨人2-7広島」(23日、沖縄セルラースタジアム那覇)
また一歩前進じゃ!広島の坂倉将吾捕手(26)が23日、昨年11月末に右肘のクリーニング手術を受けて以降、初めて対外試合に出場した。「5番・捕手」でスタメンに名を連ね、右中間への二塁打もマーク。順調な回復具合を際立たせた。新井貴浩監督(48)も現状に太鼓判。チームはオープン戦を白星発進した。
順調な復帰過程を歩めているからこそ、現状に満足感はない。試合後の坂倉はやや不満顔だった。打席で快音を響かせるも、「まだまだ合わないなと感じるところもありますし、あんまり納得はしていない」。手術した右肘の状態ではなく、この日の自身のプレーに目を向け、足りないところは「もう全部、全部です」と足元を見つめた。
厳しい自己評価とは裏腹に攻守でさすがの動きを見せた。バットでは四回先頭での2打席目。西舘が真ん中付近に投じた直球を捉えて右中間への二塁打とした。打球速度の速い飛球は右中間を破り、2バウンドでフェンスに到達。「結果は付録みたいなもんなんで」と苦笑いを浮かべ、「シーズンだったら最高ですけど、(今は)いろんなことが試せる時期だし、どんどん良い状態に持っていける時期。まだそういう面では納得はできないかなと思います」と貪欲に語った。
まだ試運転の段階。二回の1打席目は西舘に全球直球を投げ込まれ、6球目の外角低め152キロに手が出ず、見逃し三振に倒れた。「ファウルの仕方とかストライクゾーンが(自分の感覚と)合っていない」。開幕まではまだ1カ月以上ある。手術明けであることを踏まえれば、実戦で現段階の課題を見つけられただけでも大きな収穫だろう。
肘の負担が大きい捕手としても序盤の3イニングでマスクをかぶり、先発・森を無失点リード。相手が盗塁を企図する場面がなく、送球を披露する機会はなかったが、各イニング前では低軌道の二塁送球を見せ、新井監督も「順調にきている。問題ないと思います」と坂倉の現状に目尻を下げた。
侍ジャパンの一員として奮闘した「プレミア12」が終了した直後の昨年11月末に右肘クリーニング手術を受けた。開幕に照準を合わせ、今キャンプは一部別メニューで練習。すでに患部の痛みは「ない」と言い切り、コンディションの上昇に努めている。
ここまでの道のりを振り返り、「周りの方に助けられて順調にきている。感謝したい」と話した背番号31。全快への道を後押してくれる人々の思いも胸に、開幕マスクへの歩みを止めない。





