広島・末包が豪快弾!泳ぎながらバックスクリーン横へ 新井監督「あそこが彼の一番の魅力」 し烈外野争い負けん!
「練習試合、広島3-3ロッテ」(19日、コザしんきんスタジアム)
俺もいるんじゃ!広島・末包昇大外野手(28)が19日、今年1号となる一時逆転の3ランをたたき込んだ。練習試合・ロッテ戦(コザ)に途中出場し、2点ビハインドの六回に、泳がされながらも持ち前のパワーでアーチを描いた。激しい外野争いをさらに熱くする豪快弾に新井貴浩監督(48)も高評価。期待の大砲が必死のアピールを続ける。
体勢を崩されようと関係ない。合わせたようなスイングから放たれた打球がぐんぐん伸びる。バックスリーン横に白球が飛び込むと、場内には指笛や拍手がこだました。“南国風”の歓声を浴びながらダイヤモンドを一周した末包は「最低限どうにかしようとしっかりバットが出せた。結果を出せたのはよかった」と納得の表情で“今年1号”を振り返った。
2点ビハインドの六回無死一、二塁で迎えた初打席。2球で追い込まれるも、3球目の暴投で二、三塁と好機が拡大し、欲が消えた。「追い込まれていたので、犠牲フライでいいかなぐらいで」。二木の127キロの変化球に反応。豪快に振り切ったスイングではなかったが、持ち前のパワーでアーチを描いた。
オフにスイングの軌道を修正。「長くボールとの接点をつくる」ことを目的にフォームの改造にも取り組んできた。11日まで行われた日南キャンプでの打撃練習では、なかなかフェンスを越えなかったが「実戦がない中で形を重視していた」と焦らず地道に振り込んだ。「新しい自分の形を作っていく中で、実戦がまだまだ少ない。良いものと悪いものを積み重ねていって、しっかり最後に自分の良いものをつくりあげたい」と先を見据えている。
外野のレギュラー争いは激戦が続いている。秋山や新外国人のファビアンが順調な調整を続けている中、この日は今キャンプの実戦で3本塁打を放っている内野手登録の二俣が右翼で出場。「いろんな選手が外野に挑戦できるような状況を作ってしまったのも事実。ライバルはたくさんいる」と状況を理解した上で「しっかり結果を出して、評価してもらえるようにやっていければ」と静かに闘志を燃やした。
新井監督も愛あるいじりとともに、大砲に期待を寄せた。本塁打の場面を「それ見てない。ちょうど見てなかった。なんか打った?」とにやり。改めて問われると「あれがホームランになるんだから、あそこが彼の一番の魅力かな。ナイスバッティングだったと思います」と褒めたたえた。
「正直、相手のことは見ていない。自分が活躍して、外野手の中で一番最初に名前を呼ばれるぐらいの選手になりたいです」と末包。熾烈(しれつ)な争いに、並々ならぬ思いで挑んでいく。





