カープ会沢 復興へ祈りの護摩行 能登半島地震を受けて「何かしらプロ野球としてできればと」
広島の会沢翼捕手(35)が9日、鹿児島市内の最福寺で初参加の中村奨成捕手(24)らとともに護摩行に臨んだ。プロ野球選手会会長でもある会沢は能登半島地震で今もなお苦しむ人々に思いを巡らせながら、燃えさかる火柱に立ち向かった。
8年連続8度目となった荒行。約1時間にわたって力強く経を唱えた後、会沢の顔は真っ赤に腫れ上がっていた。チームの飛躍、個人の活躍-。毎年願うことに加えて、今年は被災地にも目を向けた。
「元日に地震が起きましたので、そのことも少し考えながら護摩行をやらせていだきました」
自身は2021年12月に日本プロ野球選手会の会長に就任した。東日本大震災が起こった11年には、当時阪神に所属した新井監督が選手会会長として音頭をとり、各地で募金活動を実施。NPBと協力してチャリティーマッチを開催するなど、被災地のために行動を起こしている。
会沢も球界を代表する立場の一人であることを自覚しつつ、「被災した人が心配。何かしらプロ野球としてできればと思っています」と神妙な面持ちで語った。
今回の護摩行には末包と中村奨が初めて参加した。特に中村奨は現状に危機感を抱き、同行を直談判して来ただけに「変わるという気持ちを持ってやってくれたのが一番。本当に頑張っていた。僕自身も奨成が来て、もう一回いつも以上にいけた」ととうなずいた。
昨季は54試合の出場で打率・172、1本塁打10打点。「プロ野球は良いときの方が少ないことが多い。自分に勝つという『克己』という言葉が僕は好きなんですけど。そういう気持ちが芽生える、鍛える行だと思っています」。苦しみながらも、ベテランがV字回復していく姿は見る者に勇気と感動を与えるはずだ。




